スイスのオーガニック市場には改革が必要だ
今年6月、スイスのオーガニック農家の組織「ビオ・スイス」のディレクターに、マルクス・アルベンツが就任した。農学者であり、またかつてオーガニック農業を営んでいたこともあるアルベンツは、このほどキルギスタンとアフガニスタンで行われているスイスの開発プロジェクトから戻ってきたばかりだ。スイスインフォとのインタビューで彼は、この部門には、売り上げの減少から脱却するために、新しいアプローチが必要だと述べている。昨年、スイスのオーガニック農業者数は初めて減少した。オーガニック農業への転換が若干落ち込んだためだ。
アルベンツは、オーガニック生産者は環境の変化に適応する必要があると考えている。品質は量よりも重要だ。また、マーケティングも改善するべきだ。地方(遠隔地)の農家の懸念はとりわけ大きい。乳業や食肉部門では、多くの農家が先行き不透明だ。WTOにより市場が解放されつつあり、またEUとの関係で、農業者は、自分たちの価格が高いために競争を恐れている。ビオ・スイスは、メンバーを守るため彼らの製品を売り込み、輸出を含め新しい市場と将来性を探求しなくてはならない。
マルクス・アルベンツは「エコロジーはスイス憲法で高い優先度を与えられているが、法律レベルで見れば、当局は憲法の条項を十分に実行していない」と述べている。エコロジーをサポートするにはコストがかかりすぎるとするロビー団体からの圧力があるからだ。
しかし、彼はまた「すべての問題を解決するのが政府の任務ではない」とも言っている。ビオ・スイスは官僚政治や関税という重荷を背負うことなく、輸出をするか、市場の革新のために開発をすることを望んでいる。ほかの国々と比べ、構造改革、投入資材のコスト削減 、そしてより効果的なマーケティングのおかげで、生産コストは急激に減少している。ビオ・スイスはもっと健康な生活と、環境的に持続可能なアプローチだということを伝えるため、さらに挑戦を続けるべきだ。
そうすることで、人々は「オーガニック製品はより健康的なライフスタイルの一部なのだ」と理解するだろう。
ビオ・スイスは今年25周年を迎える。8月18日にはベルンで農業従事者、生産者、消費者や興味がある人を対象にした大規模なパーティが開かれた。スイスでのオーガニック生産の歴史は、マルクス・アルベンツによれば偉大な成功である。
オーガニック製品の消費ということでいえば、スイスは今でも世界のリーダー的存在だ。
Organic-Market.infoより