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コロン村−フランス初のオーガニック村誕生

(訳者より)
今回は、フランスの農業と地域活性化に関するネット情報誌Transrural Initiatives 276号(2005年1月)より、C. Laidin氏執筆の記事「コロン 村‐フランス初のオーガニック村誕生」を全訳で紹介します。紹介する 記事は、南仏プロヴァンス地方ヴァール県にある人口675人の小さな村 コロン村のオーガニックへの取り組みについてです。


この村の主業であ ったワイン生産は経営危機に直面していました。そんななか、村の大部 分のワイン生産者がオーガニック農業へ転向したことが、環境に配慮し た村の活性化事業をすすめるきっかけとなりました。村の事業は、地域 ぐるみのエコツーリズムにまで発展し、1つの「オーガニック村」が誕 生した、というたいへん興味深い事例となっています。
詳しくは、コロ ン村役場 (電話 : 0033(0)4.94.37.21.95) 、
ホームページ : www.correns.fr をご覧ください。(村松)
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コロン村はほぼすべてのぶどう畑をオーガニックとし、その分野における1つのモデルとなった。質に配慮した農業の展開が進めば進むほど、地域のくらしがさらに幅広く再活性化していくことにつながったのである。
プロヴァンス中部のワイン生産を主業とするこの小さな村に、すばらしい将来が待ち受けているようにはとても思えなかった。行き場もなく、大きな不安がワイン生産部門を覆っていた。消費者の側から高まりをみせていたオーガニック農業への期待がアイデアを呼び、現在の村長であるMichael Latzはワイン醸造者たちをオーガニック農業の道に向かわせるに到ったのである。オーガニック農業の実践こそ、本物であること、質の高さ、地元の特性を表現するのに最も適切な手段と受けとめられたのだ。
ワイン生産者組合員の90%
今日、コロン村では200haのぶどう畑がオーガニック農業として認証されている。これはおよそ100を超えるワイン醸造者に相当する。この転向を促す決定打となったのが、次の2点。恵まれた農生態的環境条件(乾燥した気候でほとんど寄生虫病害がない)と、オーガニックへの転向に要求される気配りに、各生産者の規模が小さいこと(平均10ha)が適していたことである。このオーガニック転向への決断は周囲の者も引きつけた。穀物生産者1人、何人かの野菜生産者、養鶏業者(卵) 1人が同様に転向した。そこのワイン醸造協同組合は、フランスで最初のオーガニック協同組合の1つである。AOCコート・ド・プロヴァンスとVar地方の地ワインを製造するオーガニック醸造者80人で、組合員の90%に匹敵する。
農業部門を越えて、ここでは環境に配慮した1つの全体的な動きとして活性化がはじまっている。村議会は、ある建物を「環境的高品質基準」(Haute Qualite Environnement)に沿って改修することを決定し、建設許可願いの際、建設計画のすべてに対し、環境的品質に関する専門家委員会に資金供給する。太陽光発電やエコ建築などが奨励されている。林業部門やそれにまつわる産業でも同様の反応がおきている。今後、村役場関係の建物の暖房には木片ペレットを利用したボイラー熱が使用される。余分のエネルギーは、近隣にくらす個人に販売されることになるだろう。
ツーリズムへの影響
最後に、観光業がこの取り組みの恩恵にあずかった。Var地方の最大の水流であるArgens川が流れるSourn渓谷は、生態学的に見てすばらしい地域で、汚染の影響を受けやすい多くの動植物種の避難地帯となっている。エコツーリズムに敏感な北ヨーロッパの住民たちがこれを見逃すはずはなく、Sourn渓谷にある登山区域への訪問者はどんどん増えている。このようにして、今日、人口675人の村は、2軒のホテルと空家を改修した31の家具付宿泊施設で、旅行客を200人まで受け入れられるようになっている。たくさんの世帯が地域にいながらにして収入源を多角化することができたのである。
C. Laidin, Transrural Initiatives 276号, 2005年1月11日
(翻訳:EUOFAサポートメンバー村松)

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