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オーガニック情報アーカイブ

vol.17 本当に欲しいものは

ここのところ、残業が続いています。今日もまた終電、、、という生活では、家に帰ったらお風呂に入って寝るだけ。何もすることができません。オーガニックなライフスタイルからは程遠い毎日です。それでも私はこれもフェスタが終わるまで、と期限付きだからいいようなものの、年がら年中これを続けている人は、どんな気持ちなのだろう?とついつい考えてしまいます。


ヨーロッパ人と比較して圧倒的に違うのがここです。彼らはよくヴァカンスのために働く、とさえ言われますが、例えばフランスでは、法律で年間5週間の休暇が定められています。公務員の1週間の勤務時間は確か2年ほど前から35時間に制限されました。レストランなどの飲食業も38時間程度に制限されています。そして、それでも世の中は普通に動いています。
確かに絶対収入は日本と比べて少ないけれど、生活全般を見る限りあちらの方が豊かに見えます。確かにどれだけたくさんの物を持っているか、しかもきれいな服や高価なブランド物を、という意味では日本のほうが豊かかもしれません。
一方で、夜ご飯はきちんと家族が揃って食べたり、夏や冬は少なくとも1〜2週間は家族で計画を立てて、キャンプや海辺、外国旅行などをしてのんびりと過ごす。友人との食事はレストランよりは自分の家に招いたり、招かれたり。物が壊れても、部品がすぐ手に入る。新しいものを買った方が安い、という状態になっていない。物質では計れない豊かさが彼らの生活にはあります。
経済危機が起きそうだというときに、リストラを断行して人々から職を奪い、残った人には際限なく仕事がふりかかる道を選んで、そうしてでも企業の利益が上がることを選択したアメリカ型の日本と、ワークシェアという方法で、より多くの人に仕事の機会を与え、環境保全と地方活性化をうまく組み合わせてこれまで雇用のなかったところに雇用を生み出す方向に進んでいるヨーロッパ。ここにはあまりにも大きな違いがあります。
日本が長らく不況から脱することができないのは、国として方向性が見えないからでしょう。国が目指すべき方向が、今までどおりとりあえず目の前の問題を片付けるだけでいいのかな、と自問しているからでしょう。
オーガニックなライフスタイルは、それに答える1つの手段です。
数や量の成長から、質の向上・発展へ。戦後日本はどんどん背丈が伸びていく子どもから大人になる時期を過ごしました。大人になった21世紀は、大きくなるのではなく、成熟していく時期といえるでしょう。ヨーロッパはひと足早く、それに気付いて動き出しています。それが精神的な豊かさを生み出しているのです。

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