成長を続ける世界のオーガニック農業〜BioFach2008の最新データより〜
BioFach2008では、国際的な環境・オーガニック団体であるIFOAM(The International Federation of Organic Agriculture Movements:国際有機農業運動連盟)、FiBL(the Research Institute of Organic Agriculture:オーガニック農業調査機関)、SOL(the Foundation Ecology and Agriculture:環境農業財団)の3組織によって、世界のオーガニック農業における最新の統計が明らかにされた。
この研究では、現在3040万ヘクタールの農地がオーガニック農地として認証を受けていることが明らかになった(数値は2006年末のもの)。オーストラリアは前回調査に引き続き、世界で最も広大なオーガニック認証農地を有しており、その面積は1230万ヘクタール。
続いて中国(230万ヘクタール)、アルゼンチン(220万ヘクタール)、米国(160万ヘクタール)となった。大陸別の割合では、オセアニア/オーストラリアがトップの42%、続いてヨーロッパ(24%)、中南
米(16%)である。各国内の全農業地に占めるオーガニック認証耕作地の割合では、オーストリア(13%、361,487へクタール)とスイス(12%、125,596ヘクタール)の高山国が統計の上位となった。前回の調査と比較すると、2006年の一年間で世界のオーガニック耕地面積は、およそ180万ヘクタール拡大したことになる。なかでも最も大きな成長が見られたのが、オセアニア/オーストラリア(60万ヘクタール以上の増加)とヨーロッパ(50万ヘクタール以上の増加)だった。FiBLのHelga Willer氏によれば、2007年の最初の数値からも、オーガニックな手法で耕作される土地は引き続き増加し続けていると予想される。
Organic Monitor社の報告によると、2006年の世界のオーガニック製品市場は386億ドル(約4兆円)に達しており、そのうち大部分を消費しているのが北米とヨーロッパだ。この数値は、2005年と比較して50億ドル(約5130億円)の増加を示しており、この堅実な成長はここ数年間継続されると予測される。IFOAMの事務局長Angela Caudle de Freitas氏は、ますます増え続けるオーガニック製品の需要は、オーガニック生産者たち(特に発展途上国の)にとって、魅力的な機会を提供するものだと述べている。
今回の統計がまとめられた『The World of Organic Agriculture: Statistics and Emerging Trends 2008:世界のオーガニック農業:2008年の統計と傾向』は、BioFach2008においてシリーズの9刊目として発行された。世界のオーガニック農業事情を概説した内容に合わせ、数々のイラストやグラフ、また現在表れつつある市場の傾向や、個々の大陸における地域別発展の状況について、新たな情報が網羅されている。全体の統計リストや国別の拡大した範囲のデータをまとめた。統括的な付録書類も付いている。
参照:http://www.organic-world.net/
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