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スイスのオーガニック食品市場に変化

スイスでは、食品部門における競争の激化がオーガニック農家に打撃を与えている。昨年、売上げは0.5%落ちて11億8,300万スイスフラン(約1,100億円、1フラン=約93円)となった。
これは同国の食品市場の3%にあたる。


また、オーガニック農家は2.6%減少した。それでもなお、世界で最もオーガニック製品が買われている国はスイスであり、年間に一人当たり160スイスフラン(約15,000円)が費やされている。スイスオーガニック農業研究所は、農家は多くの困難に直面していることを明らかにした。ドイツのアルディのような外国のディスカウント・スーパーや、フランスのチェーン、カルフールの進出が主な要因といえよう。
オーガニック製品は味がよく栄養価がより高いことが証明されない限り、オーガニック農家はもはや高い値段をつけられなくなるだろう。また消費者は他の製品より高額な理由を知らされる必要がある。
ビオ・スイス(Bio Suisse)はオーガニック農家を統括する組織だが、同国第2の大手スーパーチェーンのコープは店舗の近隣でとれる地域の特産物を販売することで成功を収めていると年次報告書の中で述べている。
ビオ・スイスが主張するように、こうしたことによってオーガニック市場の成長が促進され、また雇用も保障されるだろう。コープはオーガニック製品を消費者に届けるうえで、重要な役割を果たしている。コープは13年前にオーガニックの食料品を店舗に置いた最初のスーパーだった。そのためにコープは消費者の間で、より高い支持を受け、またこうした努力によって市場で50%のシェアを占めるに至った。ミグロスは24.7%のシェアと後れを取っている、とNZZは報じている。
オーガニック製品を販売し始めた頃、コープの取り組みはマーケティング上の戦略だと見られていた。しかし現在ではその姿勢は本物だったことが証明されている。コープではビオ・スイスの認証を受けた1,400の食料品が販売されており、その中では生鮮品が最も売れている。
しかしながら、スイスオーガニック農業研究所のオットー・シュミット氏は、オーガニック農家に対し、大手チェーン店に頼りすぎないよう警告を発している。というのも、全般的に、高級品を含むオーガニック以外の製品との競争が高まっているためだ。また「ミグロスの商品は、オーガニックに対して誤った印象を与えるものだ」とシュミット氏は述べている。
おいしく、かつ環境にもやさしい方法で生産された食品が消費者に求められていることから、コープは将来に向けて商品の拡充と、コミュニケーションの改善を進めている。シュミット氏は、「オーストリアでも、オーガニック市場が活性化する前には同様の低迷現象が起きた」とも述べている。
Organic-Market.infoより
http://www.organic-market.info/bio-markt/en_inhalte/inh_index.htm link=Meldungen&catID=0&docID=141
EUOFA翻訳スタッフ:飯田夏代

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