新ネットワーク:アグロエコロジカル・イノベーション
アグロエコロジカル・イノベーションは、ヨーロッパ中の農業分野におけるアグロエコロジー*専門の研究者と実践者のための新しいネットワークだ。パートナー組織であるARC2020、IFOAM EU、TP Organicsの会員と関係者たちがバーチャルで会い、プロジェクトについて議論したり意見交換ができるようにと、IFOAM EUがこのプラットフォームを生み出した。新しいアグロエコロジー的手法を支援するために一丸となって取り組むための場所だ。
IFOAM EUは、アグリエコロジカル・イノベーション(農業生態学的な革新)の促進のために、知識と経験という利点を広範囲なネットワークを使って共有し助け合おうと呼びかけている。それと同時に、EUの共同農業政策(CAP)の未決の改革案と、その調査と革新のための枠組みプログラムであるHorizon 2020に対して影響を与えようと計画している。
最初の活動の1つは、知識共有とアグロエコロジカル・イノベーションについて会員たちのアイディアを収集し、彼らの現場体験を評価するために行ったアンケートだった。2012年7月、二日間に渡るワークショップが開催された。すでに広範な知識に基づいている事柄を土台として、40人近い参加者たちが知識を共有し、アグロエコロジカル・イノベーションへの理解を深める改善策を見いだそうと、協力して取り組んだ。このプロジェクトの次のステップには、アグロエコロジカル・イノベーションと知識移転の感動的な10例を載せた宣伝用パンフレットの出版、同内容のデータベース、アグロエコロジーを促進する記事・ニュース・スライドショーなどのツールボックスの作成、政策提言の開発などが含まれるだろう。
新技術を開発した人、土壌や水の管理方法を改善した人、より良い耕作技術や新しい食品加工手法を発見した人、あるいは消費者と関わるための新しくて有効な方法を見つけた人は、アグロエコロジカルの諸原則に則っている限り、どんなものでもその知識を共有するように呼びかけている。
投稿を希望する人は、イノベーションの名称、解説(10語以上200語以内)、連絡先詳細(可能であればウェブサイトも)、写真を添えて、 以下のEメールアドレスから送ることができる:agro-eco.innovationattporganics.eu
*アグロエコロジー:自然と共生する農業。生態学に基づく科学であり、同時に人類学、社会学、農学にも立脚している。ホーリスティックな方法で人と自然がかかわる結果として農業を理解し、持続可能な農業をどうデザインするかという研究。農業が社会的に公正で、経済的に実現可能で、環境的に安全で、文化的にも多様になるという手法。
出典:Agro-ecological Innovation
Organic-Market.Infoより
(翻訳:ボランティア 大畑 恵里さん)