英国：オーガニック農場の収入、これまで通り慣行農場に比肩

英国の独立研究・諮問機関のオーガニック・リサーチセンターによれば、イングランドとウェールズにあるオーガニック農場の収入は、オーガニック市場の困難な状況にも関わらず、なお非オーガニックの慣行農場に比肩するものであることが最新報告で明らかになった。環境・食料・農村地域省が助成したオーガニック農業収入プロジェクトについてのこの報告書は、生物・環境・農学研究所（ウェールズ・アベリストウィス大学）とオーガニック・リサーチセンターが共同で刊行したものである。

2010-11年のこの報告書は、イングランドとウェールズにある212のオーガニック農場の業務データも明らかにしている。そこで分析されているように、オーガニック農場の事業所得はほとんどの場合、類似の慣行農場よりも高いか、または同レベルだった。特に牛や羊を扱う畜産農場については、オーガニック農場の事業所得は、いわゆる条件不利地域における類似の慣行農場よりも著しく高かった。一方、その他の種類については、オーガニック農場と慣行農場で大きな違いはなかった。

このプロジェクトではまた、同一の農産物の収益性について、2010年度と2009年度の同月比較を行っている。それによれば、オーガニックと慣行いずれの農作物についても収益性の大幅な増加が認められたほか、条件不利地域の乳製品も収益性がやや増加した。他のオーガニック乳製品・畜産農場では収益性は減少したが、減少幅はそれほど大きくなかった。一方、慣行畜産農場の収益性は大幅に減少した。報告書ではこのほか、オーガニック農場と慣行農場の粗利益と純利益もまとめられている。

出典：オーガニック・リサーチセンター

Organic-Market.infoより

（翻訳：ボランティア 池田 真紀さん）