グッドフード、グッドファーミング:ブリュッセルまで行進しよう!
欧州の農業政策を変革する絶好のチャンスは、欧州連合(EU)が共同農業政策 (CAP)の戦略的かつ財政的な枠組みを改訂する7年毎にやってくる。共同農業政策はEUの政策の中核となる要素で、年間予算570億ユーロ (約5兆6711億円) 、EU公的予算の実に40%以上を占めている。
現在、共同農業政策2014-2020の改革に向けた交渉は進行中であり、過去50年間で初めて、政策の将来が、欧州議会と欧州農業漁業理事会によって決定されることになる。欧州議会の農業と農村開発委員会は、2012年9月までに、政策改革案に向けた要求の詳細を明らかにすることが予想されている。交渉は2012年の11月か12月まで続くと見られ、この期間は、市民社会にとって彼らの期待を欧州議会委員 (MEP)に 、また欧州委員会で国家目標を代弁する諸大臣に提示するまたとないチャンスとなる。
この時期に、ブリュッセルへのグッドフード行進が企画されている。行進の目的は、共同農業政策の改革に対する関心を高め、農業、食糧生産、他の関連課題の良い例、悪い例を浮き彫りにすること、また欧州議会委員や大臣たちが政策を改善するようプレッシャーを与えるキャンペーンを開始することである。
ARC2020と共同出資者たち、とくに、青年グループ、若い農家、消費者や環境や開発の活動家たちは、EU加盟国各国のさまざまな地域や都市をスタート地点として、各都市を通ってブリュッセルへと向かう行進を組織している。2012年9月18日には、すべての参加者がブリュッセル市郊外に到着、それに伴い沿道でさまざまなイベントや催しが行われる予定だ。翌19日の朝、参加者たちはブリュッセル市内まで行進して入り、議会の前で行われる「グッドフード・ブランチ」に集まるだろう。午後には、ARC2020とスローフード主催の会議の一部として、欧州議会の議長と農業委員会に迎えられる予定だ。
参加者は、行進の全行程あるいはその一部を、トラクター、手押し車、自転車や他の乗り物に乗って参加するよう促されている。ブリュッセルまでの道すがら、この行進に伴って一連の地域イベントが開催される。ヨーロッパ市民の要求は (ビデオによっても)欧州議会と委員会に届けられるだろう。市町村の公会堂での会合、討論会に講演会、象徴的な場所の訪問 (例えば、動物工場や屠殺場、行進を支援している地方自治体、スーパーマーケットなど)、地域の農家、企業、NGO、欧州議会委員や農業大臣を含む政治家との対話などが活発に行われる予定だ。この行進の様子は、ビデオチームが毎日制作するウェブ・ストリーミングや映像でタイムリーに伝えられる。さらに個人的にwww.goodfoodmarch.euに写真や意見を送り、オンライン上でこの行進を支援・参加することも可能だ。
2012年5月には、主催者たちが集まって話し合い、行進のために行動を起こす呼びかけを公式化し、行進に向けての準備段階で定期的に会合するワーキンググループを立ち上げた。準備に関しては、現在のところドイツの行程が最も進んでいる。スローフードとマイネ・ラントヴィルツシャフト (「私の農業」キャンペーン)は、8月25日にミュンヘンで「ゴミじゃない、食べ物だ」と題した、グッドフード行進に弾みをつけるイベントを企画中だ。このイベントでは、行進に出発する参加者のために、廃棄されるはずだった食料を材料にした祝宴を準備する予定になっている。参加者たちは、ドイツ南部からストラスブールへ入り、ブリュッセルまでのルートを行進する。EU各国からのルートを準備しているNGOたちは、ドイツでの行進に合わせて、9月6日ストラスブール、9月11日ルクセンブルグ、あるいは9月18、19日のブリュッセルでの行進のいずれかに合流することが求められている。
まもなく開始予定の専用ウェブサイト: http://www.goodfoodmarch.eu/
出典:Arc 2020
Organic-Market.infoより
(翻訳:ボランティア 大畑 恵里さん)