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米国:コルヌコピア研究所「オーガニック・ウォーターゲート」

オーガニック農業を支援する米国の非営利団体「コルヌコピア研究所」は、農業関連企業と米国農務省がオーガニック食品に対する疑わしい合成添加物や、そればかりでなく危険性の高い化学物質の使用をも徐々に促進しているとして、両者の「共謀」を告発している。この「米国議会の目的を無視し、規制の悪用と企業による搾取の風潮を生み出した連邦法違反行為」は、「オーガニック・ウォーターゲート」と題するコルヌコピアの最新の白書で報告されている。

米国議会は1990年のオーガニック食品生産法の成立時、独立の諮問機関として全米オーガニック基準委員会(NOSB)を設置し、この種の機関としては異例の法的権限を与えた。オーガニック農業やオーガニック食品生産に使用される合成添加物・原料はすべてNOSBの審査を受け、人体や環境への危険性はないとの承認を得なければならない。ところが農務省は「農業関連企業の重役をNOSBに不正に選定し、オーガニック農業者や消費者の利益を頻繁に裏切る事態を招いた」と、コルヌコピアの報告書は糾弾している。

ただしこうした問題にも関わらず、コルヌコピアの報告書はオーガニック食品について楽観的で、農務省の状況も是正可能なものと期待している。米国でオーガニック製品への使用が認められている非オーガニックおよび合成化合物は、そのほとんどが無害なもので、合計数は300に満たない。この数は、非オーガニック慣行食品の生産に使用されている化学物質が、高い毒性や発がん性のあるものも多数含め、何千種にも上ることに比べればわずかなものである。コルヌコピア研究所のマーク・A・カステル共同所長は、「一握りの企業が不見識な行動をとり、農務省がその法定任務を怠ったからといって、それを理由に消費者がオーガニック商品の購入を控えたりしないよう切にお願いしたい。オーガニック農産物の生産者およびエシカルな(倫理に反しない)加工業者が今日ほどサポートを必要としている時はないからだ」と訴え、さらに「健康志向の家族にふさわしいのは、正真正銘のオーガニック食品だ」と述べている。

出典:コルヌコピア研究所

Organic-Market.infoより

(翻訳:ボランティア 池田 真紀さん)

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