オーガニックレポート:GAS – イタリアの連帯型購買グループ
アメリカでCSAと呼ばれている地域支援型農業のシステムに該当する物がイタリアにもあります。GASと呼ばれているもので、Gruppo di Acquisto Solidale、直訳すると連帯型購買グループの略です。それぞれの地域で消費者がグループを作り、生産者から直接オーガニックの野菜や食料を買うというシステムです。
GASを通して生産者と消費者の距離を縮めて、双方にとってベストな価格で売買ができ、ローカルの生産者から買う事によって交通費を削減することができます。もし交通費がかかる場合は、購入者の間で折半してカバーされます。
このシステムを通して選ばれている生産者は、地元で、小規模な生産者か、そしてオーガニックであるかという点がポイントになっています。
私が住んでいる地域の場合は、私の通っている大学の生徒が率先してGASのグループを作り、直接生産者に連絡を取り訪ねたりして、どこを購入先にするか決めています。
買う事ができるものは、オーガニックの野菜だけのセット、オーガニックの果物と野菜のセット(大、小と大きさを選べます)、リストから自分の好きなものを選ぶセット、オーガニックのオリーブオイル、オーガニックのパン、フェアトレードのコーヒー、 オーガニックの卵、肉、土に戻る環境に優しい靴と様々です。フルーツやお肉などは生産の時期が異なるため、毎週定期的に同じ物を買う事ができません。今の時期ですと、オレンジやレモンの注文を受け付けています。
野菜と果物のお任せセットは、季節によって内容が変わるので、注文を受け取る時に何が旬なのか一目瞭然です。注文は、インターネット上で受けつけて、毎週決まった日時に定められた場所に購入者は商品を取りに行くというシステムになっています。
このシステムは、小規模な生産者とそのコミュニティー、消費者、そして環境の関係性から”Solidare”, “連帯”という言葉をとても大切にしています。消費者にとってはオーガニックのおいしい季節の野菜や果物を食べることができ、その上、環境にもお財布にも優しいという両方にとって良い事尽くめだと思います。
平井さんの学校のGASのサイト
GASについての説明(英語)
執筆者: 平井 美保さん(イタリア ブラ在住)