EU:オーガニックワインに関する新規定
「オーガニックワイン」に関するEUの新規定がStanding Committee on Organic Farming (SCOF: オーガニック農法に関する常任委員会)で制定された。数週間のうちにEU官報で発表されるだろう。2012年の収穫分から施行されるこの新規定によると、オーガニックワイン生産者らは「オーガニックワイン」という言葉をラベルに記載できるようになる。
これらのラベルは、EUのオーガニックロゴと認証機関コードも記載しなくてはならず、また、ワインに関するその他表示規定を遵守しなくてはならない。これまで「オーガニックブドウから作られたワイン」に関する規則はすでに存在していたが、これらはワイン醸造の過程を含んでいなかった、と欧州連合は伝える。ワインは、オーガニック農業について規定する理事会規則(EU規則)第834/2007号で、製造過程全てがカバーされていなかった唯一の品目だった。
SCOFでの評決後, EUの農業・農村開発総局長であるDacian Ciolos氏は次のように語った。「オーガニック製品にますます多くの関心を寄せる消費者に対し、明確な選択肢を保障する調和のとれた規定を確立する事が重要だったので、ようやくこの書類に合意を出すことができ、嬉しく思っている。その他のオーガニック製品同様、従来のワインとオーガニックワインの明確な違いを示す法制化ができるのは喜ばしいことだ。結果として、消費者はどの『オーガニックワイン』もより厳しい生産規定を経て造られている、との確証を得られるのだ。」
この新規定には、更なる透明性と消費者の認識が高まるという利点がある。EU圏の内部市場を活性化するだけでなく、アメリカやチリ、オーストラリア、南アフリカ等、その他多くのワイン産出国では、すでにオーガニックワインについての規定を設けていることから、EU産オーガニックワインの国際レベルでの位置づけを強化する事になるだろう。この規定により、EUのオーガニック農業は完成した形となり、全ての農産物がカバーされることになる。
新規定は、Wine Common Market Organisation (CMO: ワイン共通市場制度)のEU規則第606/2009号の中で定義される、オーガニックワインに関する醸造技術やオーガニックワイン生産に認められる物質について設定している。例えば、ソルビン酸の使用や脱硫操作は認められておらず、また、亜硫酸塩含有量は、従来のワインと比較して1Lあたり30~50mg(残留糖度による)下回らなくてはならない 。この一部の仕様以外にも、CMOで定められた一般的なワイン醸造の規定が適応される。これらワイン醸造規定の他、「オーガニックワイン」は当然ながらオーガニックブドウを使って作られなければならず、これはEU規則第834/2007号に制定されている。その他の情報はEuropa.euを参照の事。
出典: European Union
Organic-Market.Infoより
(翻訳:ボランティア 越川 加奈子さん)