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オーガニックレポート:インドのオーガニック事情その3

インドのオーガニックガイド最後となる今回は、アーユルヴェーダリゾートについてのご紹介です。トリートメントに使われるオイルやハーブに、農薬、殺虫剤、保存料などが一切入っていない自家製のオーガニックなもの、というのが何よりの魅力です。

私が滞在したSomatheeram(ソマティーラム)は、首都デリーから飛行機で3時間半、インド最南端のケララ州にあり、空港から車で30分のアラビア海に面した丘の上に位置します。周辺は見渡す限りココナツの木が生い茂り、海岸沿いでは漁業も盛んで、南国のゆったりとした空気が流れるのどかな場所です。

1985年設立されたこのリゾートは、ホテルとアーユルヴェーダ病院を組み合わせたインド初のアーユルヴェーダリゾートで、アーユルヴェーダがインド古来の医学である事を考えれば、おそらく「世界初のアーユルヴェーダリゾート」であることも間違いでしょう。このソマティーラムが属するソマグループは、現在ケララ州に5軒のホテルと1軒の移動型ボートハウスを所有しています。

リゾートからの景色 目の前に広がるのはココナツの木の森とたくさんの小さな漁船

 

このリゾートのアーユルヴェーダトリートメントは、単なる美容目的のトリートメントではありません。リゾートには20名の医師と90名のアーユルヴェーダトリートメント専門コースを終えたマッサージ師が所属しており、ゲストは初回トリートメント前に、問診票が手渡され、食生活、家族の病歴からものの考え方までを詳しく記入します。その後、問診票の内容をもとにした医師による診断が行われ、また血圧、心拍数などを測り、ゲスト一人一人にあったトリートメントプログラムが組まれます。

 

滞在中の食事もアーユルヴェーダの考えに基づき用意され、毎朝市場で仕入れた新鮮な材料を使ったアーユルヴェーディック料理が1日3食ビュッフェ方式で出されます。また、ヨガも、アーユルヴェーダの考えの一環として捉えられており、毎日3レベルのヨガクラスが用意され、朝一の瞑想クラスとともに滞在客は自由に参加する事ができます。

アーユルヴェーディック料理は250種にも及びます。
医師には「ハーブティーか温水を飲み、カフェイン、お酒、冷水は避けるように」
と忠告されますが 、これだけ種類が豊富なメニューで大満足

 

ソマティーラムへの滞在を決めた理由は、アーユルヴェーダ病院を母体とした施設として本格的なアーユルヴェーダトリートメントを提供していることでした。そして、もう一つ重要な点が、自家製のオイルやハーブを使っていることです。ソマグループの施設で使われる全てのマッサージオイルやハーブは、グループ所有のメディカルユニットで伝統的手法によって作られています。近郊に軒並み建設されたリゾートが既製品のオイルやハーブを使っているのに対し、ソマグループは開業当時から自社生産の製品のみを使用しているそうです。医師1人とスタッフ20人で構成されるこのユニットでは、1000種類のハーブの取り扱いがあり、常に500種類を常備しています。これらは全て、農薬、化学肥料を使う事なく栽培されたケララ産の植物を材料に、機械ではなく、手作業で製品化されています。

ハーブの裁断や仕分は全て手作業

 

私が見学したときは丁度、男性がハーブの煮出しを行っているところで、1000L入りの鍋を1人で3時間ひたすらかき混ぜ続けたのち一晩冷まし、翌朝フィルターでろ過したあと梱包する、とのことでした。

火はガスではなく薪を使うという徹底したナチュラル派
敷地内に山積みされた加工前のハーブ
機械は一切なしで全て本当に「手作業」

これだけ大量に作られているのであれば、製品の販売もしているのだろうと思っていたら、「施設で作られるハーブ粉末やオイルは、あくまで施設内での使用分のみで販売は一切していません」、との答えが返ってきました。それもそのはず。例えば、ボディーマッサージには1回500mlのオイルを使い、額にオイルをたらすシロダーラというトリートメントでは1人につき1.5L(*)のオイルを使用するのですが、これからのピーク時(11月から3月まで)は何トンものオイルが必要で、施設内でのトリートメントに使う分だけでもスタッフを増員して生産しないとても間に合わないほどなのです。

(*)シロダーラは通常1人で3回は行うトリートメントなので、2回目、3回目も同じ客には同じオイルを再利用し、足りない分は新しいオイルを補充していく、という無駄のないシステムになっています。

 

メディカルユニットの見学でお世話になった医師が、「ここのスタッフは体調を崩す事がないんですよ。毎日仕事場で自然にハーブを吸引してますからね。」と冗談まじりで言っていましたが、オーガニックなハーブであればなおさらですね!

 

施設の作りにも注目です。コンクリートの無機質な建物は存在せず、すべての施設はケララの伝統様式で造られ、プラスチックや人工的な素材はなるべく使わない、と徹底したポリシーを持っています。また、敷地内にはアーユルヴェーダトリートメントに使われるハーブが至る所に植えられていました。これらはあくまでディスプレイ用でしたが、絵や写真ではなく、実際手に取って原料を見る機会はなかなかないので、大変興味深かったです。

リゾート内はハーブが至る所にディスプレイされていて植物園のよう!

 

Somatheeram

Chowara P.O., South of Kovalam, Chowara 695501, India

電話+91 4712268101

http://www.somatheeram.in/japanese/

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