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EU:消費のパターン

世界食品デーを記念し、IFOAMのEUグループは、今年のテーマが「食品価格―危機から安定へ」であることを改めて発表した。恐らくこのテーマは、いわゆる発展途上国に焦点をあてたもの、という印象があるかもしれないが、実際には世界のその他の地域よりもヨーロッパに深く関わるものなのである。


「ヨーロッパは食品によってだめになっています。」と語るのは、IFOAM EUグループにおいて、政策調整役を担っているAntje Kölling氏だ。「常に商品が棚にびっしりと詰められ、値段と言えば、本来1つの値段で3つが買えてしまうような値段で販売している24時間オープンのスーパーマーケットでは、エネルギーが大量消費されており、あたかも食品の安全保障がされているような、見せかけの感覚を養わせる結果になっています。事実として、EUが正味の量で食品の最大の輸入者であるということは、すなわち世界の他の国々に非常に強く依存していることにほかなりません。英国の平均的な市民が、食費に全体の支出の9%しかかけずに済んでいるただ1つの理由は、コストの大部分が社会や環境、そして世界のいわゆる南*の地域(*訳注:南北問題や南北格差というときの南)へと負荷されているからです。」
それゆえ、西洋の食品消費と浪費のレベルは、世界的な食品の価格と食品の危機に密接につながっている。オランダのルーヴェンカトリック大学の農業食料経済学教授で、レポート『the 3rd SCAR Foresight Exercise』の著者であるErik Mathijs氏は次のように信じている。「ヨーロッパの農業食料システムの前に横たわる課題は、その複雑さ、規模、スピード、どれをとっても過去に人類が経験してきたものとは違っています。“普段どおりの取り組み”は選択肢にはないのです。」このレポートが予測している課題は、技術面での革新、組織上の革新、そして消費の変化なのだ。
同氏は、2011年11月9日にブリュッセルで開催される「資源の効率化と食料安全保障:持続可能な食料システムに向けたチャンスと課題」と題した会議におけるスピーカーの一人である。この会議では、困難に立ち向かっている飼料の輸入、知識ベースのbio-economy*、そしてオーガニック農業の役割といった話題を取り上げる。この会議への登録は、2011年10月28日より開始されている。
*Bio-economy:Bio-economyとは、現在ヨーロッパで取り組まれている将来社会の展望に関する言葉で、「エネルギーや産業界の原料に全面的に化石燃料に頼らない社会」というビジョンを要約したもの。下記で詳細がわかる。(英語)
http://www.bio-economy.net/index.html
出典:IFOAM EUグループ
Organic-Market.infoより

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