英国:オーガニック繊維の販売、不況の中でも好調
英国のオーガニック繊維の小売りは2010年に推定7.8%の成長を遂げ、経済不況をものともしていない。ソイルアソシエーションによる最新のオーガニック市場報告(Organic Market Report)によると、同団体認証のオーガニック業界の売上も35%増加し1200万ポンド(約16億2300万円)に達したという。そのうち、オーガニックコットンが英国オーガニック繊維売上の91%を占めており、残りはウール、リネン、その他繊維となっている。
ソイルアソシエーションはオーガニック繊維製品を認証する英国最大手の団体であり、世界オーガニック繊維水準(GOTS)認証に関しても世界最大の認証機関の一つだ。世界ではたった5年前には27だったGOTSライセンスの件数が、現在は5大陸にまたがり2750へと増加した。オーガニックコットンは現在全コットン生産の1%を占めており、増加傾向にある。中でもインドが昨年37%の増加を見せ、全体の成長の大部分を占めている。
英国内の成長企業もいくつかあるが、例えばOrganics for Kids社は2004年よりオーガニックのベビーウェアを製造している。トルコ産のオーガニックコットンを使用し、その全商品がイギリス国内で製造されている。2010年9月期までの1年間で総売上は40%増加し、2011年には更に20〜40%の成長が見込まれている。2004年に事業を開始したAbaca社は、イギリスのオーガニック素材マットレスの製造において牽引役となっており、2010年には総売上で37%の成長を遂げた。女優のエマ・ワトソンは、主にオーガニックコットンを扱い完全なフェアトレード認証を受けているPeople Tree社のために、「Love from Emma」という商品ラインを売り出した。同社の売上は2010年には17%増加している。また、Seasalt社は売上面で言えば、ソイルアソシエーションの認証を受けているオーガニック繊維企業のトップある。同社は海辺を思わせるファッションで独自の商品ラインアップを揃えており、購入はウェブサイト上か、コーンウォール、デヴォン、チャネル諸島のガーンジーやコーンウォール沖合のシリー諸島といった地域にある12店舗で可能である。売上は2010年には49%増加し、うちオーガニックコットンは売上の約41%を占めている。
ソイルアソシエーションから認証を取得している企業で最も急成長を遂げているのは、Tシャツやスウェットシャツ、フード付き衣類などのデザイン、製造に特化したContinental Clothing社である。同企業は生産ラインを倍増させ、2010年ソイルアソシエーション認証製品の売上で12倍の増加を遂げた。最近の契約では、小売業最大手であるテスコ社のレジャー用ウェアや、アメリカのロックバンドPearl Jamのツアー関連商品、EDFエナジー社主催バーミンガムマラソンのためのプロモーションウェアなどがある。
出典:Soil Association(英語)
Organic-Market.Infoより
(翻訳:ボランティア 西野 実加さん)