国際シード・アクション・デイ、ベルギーとポーランドで開催
2011年4月17〜18日、ベルギーのブリュッセル、およびポーランドで、国際的な”シード・アクション・デイ”のイベントが開催された。ブリュッセルでは、数千人ものシードアクティビスト(種苗保存活動家)が集まり、種子やノウハウの情報交換を行うとともに、一部の企業体による種苗のコントロールや種の組み換えを行うことを許可する法律が、食料に関わる基本的人権と種苗を手に入れる権利を侵害するとしてその審理を行うよう、欧州諸国の政治家へ要請する。
人の生活の根源に関わる権利を、モンサント社、カーギル社、ベイヤー社、デュポン社、パイオニア社、シンジェンタ社や、BASF社といった一部の大企業に大手を振って渡すことを受け入れられないと、このイベントを通じて、明白に示すという。
一方のポーランドでは、ICPPC(ポーランド田園地帯保護国際連盟:International Coalition to Protect the Polish Countryside)が、認知を高めるための国を挙げての取組み、”Seeds for All(種は皆のもの)”をブリュッセルの国際イベントと同じ日に開始した。ICPPCは、より多くのポーランドの農家や園芸家たちが、ポーランド政府に対し、元々存在する原種に、大資本企業が手を出さないこと、また小規模農家を支援すること、といった要望を出していくよう働きかけていくという。イベント期間中に、地元農家による在来種の種の植え付けや、種子の交換会、地域密着型の種子バンクの設立方法や、小学校、幼稚園の子ども達向けの野菜畑の作り方などのセッションも催された。国際小規模農家サポート団体であるVia Campesianによって、2011年4月17日は”International Peasant Resistance Day(国際小規模農家レジスタンスの日)”と命名され、また、翌18日にはデモをブリュッセルで行った。
種苗と化学薬品マーケットでは、過去30年の間に、多国籍(大資本)メーカーがその力を急速に拡大させており、ICPPCの報告によれば、現在は世界の種市場の67%が上位10社の種苗メーカーで占められている。こういった一部の大資本による遺伝子組み換え技術や、特許権、種の再利用料制度の導入といったことが、植物本来の遺伝的多様性を阻む危険な状態を創出しており、これらを受けて、欧州を基盤に、さらに欧州を越えて地元品種を守り、広めるための活動を行う草の根運動が急速に広がっている。欧州地域の何千もの人々が、”Sowing the Future – Harvesting Diversity(未来という種をまき、豊かな多様性を手に入れよう)”というタイトルの下で、種を生産する権利は小規模農家や、園芸家たちのものである、と訴える活動を懸命に行っている。
参照URL:Sowing the Future – Harvesting Diversity
Organic-Market.infoより
(翻訳:ボランティア 大久保麻里子さん)