過度の窒素は経済と環境に害を及ぼす
窒素汚染による損害は、ヨーロッパでは一人当たり年間130〜650ポンド(約17,580円〜87,900円)であることが新たな主要調査で分かった。2011年4月11日にスコットランドのエジンバラで開催された会議において、第一回ヨーロッパ窒素評価(ENA)が発表された、とソイルアソシエーションは報告する。
この調査は21の国と89の組織からの専門家200人によって実施され、ヨーロッパ全体で窒素によって引き起こされた被害額の概算は、年間600億〜2800億ポンド(8兆1千億円〜37兆8700億円)であり、ヨーロッパの農業において窒素肥料の使用から得られた追加所得の2倍以上にあたる。
ソイルアソシエーションの政策キャンペーン担当官であるイソベル・トムリンソン氏は、この報告について以下のコメントをしている。「非オーガニックシステムによる食料生産は莫大な量の合成窒素を使用するため多くの環境問題を引き起こしている。一方で、オーガニック農業者に人工肥料の使用は許されていないため、この問題を回避している。報告書が強調しているのはこの点である。」
同氏はさらに続ける。「オーガニック農家は、自然に窒素を固定する豆やクローバーなどマメ科植物の作物を栽培することで、人工窒素の製造と使用の両面から出る地球温暖化ガスの排出を回避している。さらに、オーガニック農業ではより効果的に窒素を使用し、余剰窒素の量も低くなる、それはつまり、より広い環境に害を及ぼす土壌中の硝酸塩が少なくなるということを意味するのだ。」
参照URL:ソイルアソシエーション
出典: Organic-Market.Info
(翻訳:ボランティア 大畑 恵里さん)