英国、オーガニックマーケットの拡大に伴いスーパーでのシェア減少
ソイル・アソシエーションの発行したオーガニックマーケットレポート2005によれば、オーガニック食品の売上げが急成長している中、消費者の間ではスーパーマーケットでの購入を拒否して直接生産者や個人商店から商品を買う人が増えている。宅配や農家直販、ファーマーズマーケットを通じた、2004年のオーガニック食品の売上げは33パーセント増加し、個人商店を通じた売上げは43パーセント増えた。
英国全体のオーガニック製品の全体的な市場が昨年11%増の12億ポンドに達したにも関わらず、主なスーパーマーケットでは、オーガニック食品の売上げが81パーセントから75パーセントと減少した。これはフードマイルや包装、原産地に対して消費者の関心が高まってきたのとは反比例の現象である。
また、英国のオーガニック生産者の25%は南西地域に拠点を置き、そこに接する南東部と合わせてオーガニック製品 産業の10%を生み出している。
オーガニックファーマーズマーケットのリチャード・ローズは、Cullomptonに拠点を置いて、西部地域のオーガニック製 品の通信販売を行っているが、彼によれば2004年45%の売上増があり、既に今年も現時点で55%増を達成しているという。「自分のビジネスは年々倍増している状況です。これはオーガニック製品の重要性によって、単なるトレンドやオーガニック食品に結びついていたヒッピーのイメージを拭い去られたこと、また人々が、自分が食べているものを安心して食べたいということに目覚めたからでしょう。」と彼は話している。
子供をもつ親は、子供にオーガニック食品を購入する割合が高い。2003年と2004年の売上の伸びを比較すると、オーガニックのベビーフードが6%の伸びを示したのに対し、一般のベビーフードは1%しか伸びていない。
サウスデヴォン州にある肉会社で勤めるクレア・ウォーターハウスは、次のように話している。「ゆっくりではあるけれど 、オーガニックは自分にとって良いものだという感覚が育ってきているわね。消費者もコンセプトがわかってきたから、一般の人たちも手が出しやすくなってきたんじゃないかしら。」
前述のローズ氏は続ける。「5人の子供を持つ母親にとって、スーパーに行ってなるだけ安いものを買うことはとても簡単です。けれども私は、人々は今やそれ以上のことを考えている、と真剣に思いますね。最近の健康を脅かす様々な事態によって、食品が安く製造されるということは、それが個人の健康であれ、大地に対するものであれ、何らかの悪影響がある、ということを人々が現実に考えるようになってきたと思います。オーガニック食品がそんなに高いなんて私は思いませんよ。オーガニックではない食品こそ、何か訳があって安すぎるのではないかと感じます。」
Organicmonitor 2005/11/15の記事より
※ソイルアソシエーション発行のオーガニックマーケットレポート2005は、こちらから購入できます。