オーガニック農業と慣行農業の違い
オーガニック農業では…
1)植物に化学肥料を与えない、
2)農薬や除草剤といった危険な化学物質を用いない、
3)遺伝子操作を行わない、
この3原則が守られています。
根を土におろして、植物は育ちます。自然のサイクルで育つ植物は、自らの力で土中の水と栄養を求め、地中深く根を下ろします。環境と共生し、気候・気温の変化や、病気などの逆境にも強くなります。一方、現在の一般的な農業では植物に化学合成肥料が与えられます。簡単に栄養を取り込んだ植物はあっという間に大きくなりますが、きちんと根をはることができません。環境の影響にもろく病気や害虫の被害も拡大、農薬なしでは生きられない状態になります。
植物には、生きた土が必要。生きた土とは、枯葉などの有機物を食べ、土の中を活動するミミズや微生物のいる状態。栄養とその土地ならではの個性を植物に与えてくれます。一般の農業で使われる農薬や除草剤、土壌消毒などは畑の生物を殺してしまい、こうした自然の生み出す連鎖を断ち切ってしまいます。
土や植物に、本来の力を蘇らせるのがオーガニック農業。
自然のサイクルを壊しながら、収穫量とスピードを最優先させて発展した化学農業、なかでも遺伝子操作は生態系を壊滅させる危険があります。化学肥料と農薬をやめ、オーガニック農業へ転換すると、土が生きた状態に戻るまで数年は収穫が落ち込みます。それに加え、雑草を土中に鋤き込む、堆肥を作るなど数々の手間がかかります。また、オーガニック加工食品においては、合成添加物や合成保存料は使えないので徹底的な衛生管理が必要、輸送や保管にも細心の注意が払われます。原材料の生産量が一定していないというリスクも抱えています。このような手間ひまには変えられない環境への配慮、おいしさ、私たちと動植物の健康を追求して、生産者たちはオーガニック食品づくりに精を出しているのです。