TPPは国連の持続可能な開発目標と矛盾しているとの指摘
TPPは国連の持続可能な開発目標と矛盾しているとの指摘 2015.10.06
先週、150人を超える世界のリーダー達が、2015年9月25日、「国連持続可能な開発サミット」で、持続可能な開発目標
(SDGs)、気候変動、環境の悪化、健康問題、貧困などについての対策を含む「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択した。
この歴史的宣言にならんで、2015年10月5日月曜日、米国ジョージア州アトランタにて、12カ国の貿易省は、世界経済の4割を占める環太平洋地域に経済的なルールを設定する、環太平洋経済連携協定について大筋合意に至った。
この記録的な協定は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ合衆国、ベトナムによって署名された。オーストラリアの貿易投資大臣であるAndrew Robb氏はTPPはオーストラリアの繁栄を支える、オーストラリアの貿易の域内統合につながると述べた。この協定はオーストラリアの中国、日本、韓国やその他の域内のパートナーとの貿易協定の締結の成功をより確実なものにしている。
このTPPは加盟国間で98パーセントの関税を撤廃、貿易における輸入税を軽減する。Robb氏は総輸出の1090億オーストラリアドルに値する三分の一の商品とサービスがTPP加盟国に輸出されたと述べた。
しかし、協定に対する猛烈な反発も予想されている。オーストラリアの反対派のリーダーであるBill Shortenは第一に、協定の食料に関する規定や、外国の企業が国内の規定を訴訟することができるTPPのISDS条約(投資家対国家間の紛争解決条項)などに反発を示す。
国際地球の友(Friends of Earth)は、TPPはいくつかの国連の持続可能な発展目標に対して矛盾していると、協定に対して憤りをみせた。国際地球の友の経済的正義の調整官である、Sam Cossar-Gilbertは、「環境の保護より経済や企業の投資を優先させるTPPの協定の大筋合意で、今日は私たちの地球にとって悲しみの日である。TPPの貿易のための技術障壁は我々の健康や環境を保護するのに必要である約85000もの薬品の販売の効果的な査定や規制の制定をおびやかす」と述べた。
国際地球の友は、とてもシンプルな、消費者の持続可能性のある製品を見極めるための指針である効果的な評価や、輸入食品の食品表示などが、TPPの元では、ラベル規制が貿易障壁と見られ、不可能になることもありうる、と述べる。
TPPは、承認に対して世界中で予期されている抗議行動と反発活動以前に、数々の問題に直面している。アメリカでは、カナダの選挙問題について議会の反発に直面している。それい以外にも、日本での裁判や、オーストラリア全土にも広がる反発の声があがっている。
◆米国 Electronic Frontier Foundation 2015.05.07
『国連専門家、TPPと米議会のファスト・トラックのシステムは、人権を脅かすとの指摘』
国連における著名な専門家は、環太平洋経済連携協定などの
秘匿性のある貿易協定は、世界中の人権を侵害する可能性があることを示唆した。
その秘匿性と企業支配のプロセス、不透明な交渉から生まれた食料供給の
本質的な内容の両方の理由のためだ。
2015.10.06
翻訳: Aki S. Norton