旬の喜び
北国ウィスコンシンにも、ようやく春がやってきました。
梅や、木蓮、りんごやチェリー、様々な花が咲き始め、本格的な春の訪れを感じます。私がインターンしているファームでもようやくビニールハウスで育てているサラダミックスやラディッシュの収穫が始まり、フレッシュな野菜が食べられるようになりました。
アスパラガスも夕方の散歩のときに両手いっぱいに抱えきれないほど収穫。
アスパラガスは、一度植えると、その翌年からアスパラガスが毎年収穫できるので、春になると、毎年フレッシュなアスパラガスが。
さらに成長のスピードが早く、一日で10センチ程成長します。朝と夕方と二回、毎日収穫しないと、どんどんと成長してしまいます。また、その成長スピードのためもあり、収穫後も成長しようとしてしまうので、すぐに食べないと栄養価も美味しさも失われてしまいます。
オーガニックで新鮮なアスパラガスは、ほんとうに絶品。さらに、長い冬の後の新鮮な生の野菜・・
採れたてアスパラガスと、ベビーリーフ、ラディッシュサラダのランチを食べたのですが・・
もう、至福。
思わず「美味しいーー!」と感動して、一口一口有り難く、噛み締めながら、体全体が、「このフレッシュな野菜が欲しかった!」と喜んでいるのを感じて、改めて、体が「初夏」の季節に適応してきたことを感じました。
特にここウィスコンシンでは、季節がはっきりとしていて気温差も大きいため、冬のビニールハウス栽培は厳しく、ファーマーズマーケットで得られる野菜の種類もかなり限られてきます。
冬には冬に適応した野菜が。
春には春の野菜が。
都市に住んでるときは、季節の変化をダイレクトに感じる機会が少ないと、旬の野菜の体へのインパクトを感じる機会が少なかったかもしれません。気温や天候が変わっていくとともに、体もその変化に順応していっていて、その体の季節の調節がちょうど変わったように感じました。
もう日本で葉山菜の季節は過ぎましたが、春の冬に溜まった老廃物を排除するデトックス効果など、夏の水分をたっぷり含んだ野菜など・・
日本では、温室栽培なども盛んで、年中どんな野菜でも手に入り、旬が分かりにくくなった、とも言われていますが、やはり「旬」の野菜というのは、栄養価が高く、美味しいというだけでなく、そのときの気候に適応するために必要な要素がたっぷりと含まれているのだなぁと改めて感じました。
ウィスコンシン州に引っ越して約1年になりますが、通年ファーマーズマーケットがある地域に住んでいて、地元の農家さんからオーガニック野菜を買うことができるので、自然とその地域で育てられない、天候に適応しない食べ物を食べることが減ってきたため、余計に、「旬」の野菜の有り難みを感じたのかもしれません。
確かに色々な野菜が、欲しいときに手にはいるのは、「便利」ですが、その「便利」さにより失われているものも多いような気がします。
「旬」を楽しむ、ということは、その「限られた」時期を楽しみ、そのときの天候や環境をそのままに受け入れ、その中に楽しみを見つけることだと思います。
いつでもその便利さが環境にいると、その「特別さ」は失われてしまいます。でも、その季節によってそれぞれの良さがあり、逆に言うと欠点があります。
その欠点をねじ曲げて「便利な」生活をしようとすることによって、失われているものもあるような気がします。「旬」や、「地域で育てられた野菜」を食べるということは、私が思っていた以上に大きな影響を与えていて、体がその地域の天候や気候に順応することに
役立つのだな、と改めて。
あえて「不便利」な生活を選ぶということで見えてくることがたくさんあるのではないでしょうか。
少し時間をかけて料理してみる、
ゼロから自分で作る、
地元の野菜販売所やファーマーズマーケットに行って
旬の野菜を買う、
なるべく電子レンジなどは使わないなど。。
「便利な」生活によって見逃していたことを
見つけるかもしれません。
時間がある週末にだけでも、ぜひ
身の回りの「旬」、自然の変化に耳を傾けてみてくださいね。
Aki S. Norton