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いかにして慣行農業は土壌や農産地を破壊してしまったのか

出典:notre-planete.info
世界ではすでに3分の1の土壌が劣化している。世界土壌デーを機に、従来の農業が環境、そして私たちの健康にとってまさに災いのもとであるということを改めて考えてみる。クロード・ブルギ二ョン、リディア・ブルギ二ョンは、文字通り土壌が死んでしまっている農産地に慣行農業が及ぼす影響を明らかにしている。

「もし、生産性を第一とする慣行農業が、土壌や水質、大気などの蔓延する環境汚染、そして田園地における生物多様性の消滅の大きな原因となっているならば、私たちの土壌もまた、文字通り慣行農業に殺されてしまったことになる。」土壌微生物学分析研究所(LAMS)の独立研究者であるクロード・ブルギ二ョン、リディア・ブルギ二ョンはこのように説明する。二人が出演している映像は数年前に撮影されたものだが、この問題は現在かつてないほど取り沙汰されている。

フランスの誇る豊かな土壌の大半は、わずか3世代足らずで劣化してしまった。その原因となっているものが、農産物加工業の発展というただ一つの目的のため、いかなる代価を払ってでも高い生産性に頼ってきた集約的農業である。最終的に、私たちを取り巻く環境だけでなく、私たち自身の健康、そして生活の質全体に悪影響を及ぼしてしまう。

「オーガニック農業が人類を養えるかという果てしない問いは的を射たものではない。慣行農業でもそれはすでに不可能だったのだから。」とクロード・ブルギ二ョン、リディア・ブルギ二ョンは明言している。実際に、現在8億人以上の人々が栄養失調に苦しんでいるということを忘れてはならない。

12月5日:世界土壌デー

12月5日の世界土壌デーを機に、「健全な土壌は食糧生産にとって不可欠である。」と国際連合食糧農業機関(FAO)のジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバ事務局長は主張している。

「健全な土壌は食糧や燃料、繊維や薬品の基盤であるだけでなく、炭素循環において重要な役割を担い、水分を貯蔵、浸透させ、洪水や干ばつに対する復元力を向上させることから、私たちの生態系にとっても必要不可欠なものである。」とFAO事務局長は指摘、国連が2015年を国際土壌年に制定したことも付け加えた。

「現在、8億500万人以上の人々が飢餓や栄養失調に苦しんでいる。世界の人口増加に対し、食糧生産を約60パーセント増加させることが必要となってくる。食糧の大半が土壌に依存していることを考えれば、土壌を健全で生産的な状態に保つことの重要性は容易に理解できる。残念なことに、世界の土壌資源の33パーセントは劣化しており、人的な圧力は極限状態に達し、土壌の本質的な役割を減少させ、時には排除している」とグラジアノ・ダ・シルバは説明した。

世界の土壌の3分の1はすでに劣化

FAOの推定によれば、全土壌の3分の1は劣化しており、土壌の浸食や沈下、透水性の不良や塩分増加、有機物の減少、栄養素の枯渇、土壌の酸性化や汚染、土地の非持続的な管理によって引き起こされるさまざまな現象が原因となっている。結果、新たな取り組みがなされない限り、一人当たりの生産的な耕地面積は、世界的な規模で見ると、2050年には1960年の水準のわずか4分の1となってしまうだろう。

「1センチの土を形成するには1000年かかるという。世界の土壌資源の33パーセントが劣化し、人的な圧力が増していることを考えれば、土壌は限界に達しており、土地管理は最重要課題となっている。」とグラジアノ・ダ・シルバは警告した。

地球上のさまざまな生物の少なくとも4分の1は地中に生息している。地中では、例えばミミズはバクテリアや菌類といった極めて小さい生物のそばでは巨大な生物となる。これらの有機体、とりわけ植物の根は栄養の供給を促し、栄養を循環させる主な原動力として働き、そして地上の多種多様な生物の支えとなっている。

いかなる未来もなく、付随する損害によって絶えず化学製品の量を増やし続けるという暴挙に出ざるを得ない。そしてその結果生じる影響を制御する術を持ち合わせてはいない。どうしてこのような無責任な農業を支持し続けることができるだろうか。しかし、私たちには命を支えてくれるものを守りつつ、より質の良い食事をするという選択肢がある。

化学産業も多国籍企業もない時代、土壌は私たちの祖先を数千年もの間養ってきた。このことを忘れてはならない。

翻訳ボランティア:大澤文子

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