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コロンビア ラウンドアップの散布禁止

南アメリカでは初の事例となる。コロンビアがグリホサートを主成分とする製品の散布を正式に廃止、悪名高いモンサント社のラウンドアップもこれに含まれる。世界各地で行われる反モンサント・デモを数日後に控え、この勝利は他国へと波及するだろう。

コロンビア政府は、グリホサートを主成分とした除草剤のコロンビア国内全域における散布禁止を発表した。4700万人の人口を抱え、南アメリカに位置するコロンビアはラウンドアップの空中散布を唯一行っていた国であり、とりわけコカインの密輸網を生み出すコカの違法栽培を一掃するために用いられていた。一方では麻薬との闘い、また一方ではガンとの闘いでもある。グリホサートの散布は住人の健康や環境に害を与えるとし、地域の農業従事者やエコノミスト、専門家は常に批判を行ってきた。米国人はといえば、製品の無毒性を絶えず主張し、麻薬組織との戦いにおいてコロンビア政府に対し製品の使用を推奨していた。事実、コロンビアは世界で有数のコカイン生産・輸出国であり、その大半は数多く存在する違法栽培地が供給源となっている。

コカ畑への除草剤散布は、麻薬密売を阻止するために政府が有する実行手段のうちの一つであった。3月20日、「恐らく発がん性がある」という製品の性質を世界保健機構が明らかにし、コロンビア政府は自問を繰り返した。こうして、コロンビアのアレハンドロ・ガビリア保健相はグリホサートの空中散布禁止を決定することとなった。フアン・カルロス・ピンソン国防相は、散布禁止が軍により日々破壊されているコカインの違法栽培を増加させるとしており、両者は対立状態にあった。そしてついに5月14日、コロンビア国家麻薬評議会は賛成7票、反対1票でグリホサートの散布を禁止する決定を下した。ロスアンデス大学、治安および麻薬研究センターのダニエル・メヒア所長によれば、コカ栽培に対する除草剤散布は効力を持たない。

つまり、コロンビアにおける麻薬密売と闘いは減速し、住民の健康状態は改善することとなる。これは何よりモンサント社の敗北であり、オーガニックにとっての勝利といえよう。

出典:http://www.bioalaune.com/
2015/05/20
翻訳ボランティア:大澤文子

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