オーガニックコットン最新レポート
世界のオーガニック繊維企業を代表して、39の国々から330人の専門家が集った国際会議’Annual Conference and Marketplace’。ここでは、近日発行されるOrganic Exchange(訳注:米国を拠点としオーガニックコットンの普及を推進する非営利団体。www.organicexchange.org)のレポートの焦点が明らかにされた。この『Organic Exchange オーガニックコットン市場報告2007』によると、2006年、世界のオーガニックコットン製品の小売売上高は85%増加の11億ドルに達しており、 2007年末までにはさらに83%増加の19億ドルに達することが見込まれている。
2006年にオーガニックコットンを最も多く扱った企業のトップ5は、ウォルマート(米国)、ナイキ(米国)、スイス・コープ、パタゴニア(米国)、オットー(ドイツ)。南アフリカ・ウールワース、C&A(ベルギー)はともに大規模な計画を導入し始めているため、2007年にはトップ5のリスト入りが予想されている。
オーガニックコットン市場のこうした成長の背景には、アパレル製品、ホームテキスタイル製品、またパーソナルケア製品において、オーガニック素材を使用したものを求める消費者の強い要望がある。また同様に、ここ数年のオーガニック市場において、企業によるオーガニックコットン計画の拡大が見られたことも成長の理由だ。これらの企業として挙げられるのは、Edun(アイルランド)、Gaiam(米国)、Hanna Andersson(米国)、H&M(スウェーデン)、Nordstrom(米国), prAna (米国), Under the Canopy (米国)、南アフリカ・ウールワース。2007年は大規模なブランドと販売店のオーガニック市場への参入によって、さらに売上げ成長が加速されるだろう。バーニーズ(米国)、C&A(英国)、ネクスト(英国)、ポタリー・バーン(米国)、ステラ・マッカートニー、ターゲット(米国)などである。
2006年の市場の需要は、アパレル製品が全体の85%を占め、ホームテキスタイル製品が10%、パーソナルケア製品が5%。このレポートの著者であり企画担当のRebecca Klein氏は、オーガニックアパレル製品がより流行に敏感になって、カテゴリー毎に幅広い製品が提供されるようになったことに注目している。その他の動きとしては、オーガニックコットンに加え、オーガニックウールやオーガニックリネン、オーガニックのレザーまで使用が増加していること、またフェアトレード基準と併せて、GOTS(世界オーガニック繊維基準)やOeko-Texといった加工基準が採用されている。さらに、複数の企業ではOrganic Exchangeが提供するオンライン・トラッキングサービス(商品の生産過程を追跡)を利用している。
オーガニックコットン市場の成長を明らかにした今回のデータは、2007年9月に発表された‘Organic Exchange Organic Farm and Fiber Report’での、オーガニック繊維生産の増加を示すデータを反映したものだ。先のレポートでは、世界のオーガニックコットン生産量が、2005〜06 年から2006〜07年にかけて53%増加したことが示された。またこのレポートによると、世界の耕作可能な大陸の中の24カ国で、57,931トンが生産された。オーガニックコットン生産量の多い国のトップ10は次の通り。(生産量の多い順で)トルコ、インド、中国、シリア、ペルー、米国、ウガンダ、タンザニア、イスラエル、パキスタン。世界の全オーガニックコットン生産量の約半数(44,9%)が中東(トルコ、シリア、イスラエル)で占められており、また約2/3(32,9%)が東南アジア(インド、パキスタン)である。
Organic Exchangeはまた、重要なパートナーシップを明らかにしている。Organic ExchangeとC&Aヨーロッパ、またShell Foundationでは、インドでの持続可能な農業と地域社会を支援するための協力関係を結んだ。また、OrganicExchangeとウールワース・南アフリカ、Cotton South Africa、南アフリカ政府の農業研究評議会(ARC)では、ウールワース・南アフリカとコットン農家の間での試験計画に着手する予定だ。
詳細:http://www.organicexchange.org
Organic-Market.Infoより
http://www.organic-market.info/