番外編 〜ECOCERT本社訪問速報!!その2〜
【フランス出張中のEUOFA事務局によるECOCERT本社訪問記の続きです】
まずは、やはりエコな工夫がなされた会議室でいろいろとお話を伺いました。太陽の光を夏は最小限に、冬は最大に受けられるよう計算された部屋の向き、自然から取れる材料からできた断熱材などを利用しているお陰で、冷暖房のお世話になることがほとんどないそうです。
さて、気になるヨーロッパのオーガニック事情。
特にエコサート本社のあるフランスの話が中心となりました。例えば、オーガニックワインを造っている生産者の80%がエコサートで認証を受けているそうです。現在は原料になるブドウのみオーガニック認証が義務付けられていますが、2009年からは醸造過程にもオーガニック規定が導入されるそうです。詳細な内容は今年の11月以降に発表されるとのこと。私たちが訪問した段階では、未定ということでした。ワインに関して言えば、現在ヨーロッパのワイン自体が、品質と経済的側面の両方から危機的状況に陥っています。それが原因となって、現在オーガニックに転換する人が増えているそうです。何とかして、活路を見出そうというわけなのでしょう。
フランスでは、国内で消費されるオーガニック食品のうち、50%が輸入だそうです。特に穀類、乳製品の輸入が多く、野菜や果物がそれに続くようです。またオーガニック農地は、全農地面積のわずか2%にすぎません。これはお隣のドイツ(7%)や、オーガニック農業がとても盛んなオーストリア(15%)と比較すると非常に少ない数字です。ただ2%とは言っても、そもそもの農地面積がかなり広いので、54万ヘクタールがオーガニック化されているということになります。これはヨーロッパ全体のオーガニック農地面積の約10%にあたります。生産、加工、流通、消費等すべてを含めたフランスのオーガニック市場は昨年20.5億ユーロという数字を記録しました。販売形態でいうと、ハイパーマーケットやスーパーマーケット経路がもっとも多く60%を占めます。続いてオーガニックの製品を扱う専門店で全国に支店をもつBioCoop(ビオコープ)が30%。世界のオーガニック製品の消費はここ最近年率20%アップという大きな伸びを見せています。これと比較して、フランスの伸びは10〜12%。北欧諸国等と同様、1980年代から既にオーガニックが盛んだったフランスは、今ではやや伸び悩んでいる状況にあるそうです。オーガニック製品の購買年齢層としては、20〜40代が多く、男性よりも女性の方がより購入しているようです。これは、オーガニックフェスタでのアンケート結果とまったく同じで、私たちがオーガニックフェスタの報告書を見せて説明すると非常に興味深そうでした。国は違えど、同世代の関心事は似ているということでしょうか。
(EUOFA事務局 長谷川浩代より)