オーガニック食品と農業についてのEU調査
100%オーガニックの飼料は、なにを規定すべきか。
Organic Revision(注訳:オーガニック食品改訂計画のため、今後のEUオーガニック規制に対して提案を進める研究機関)では、まだEUでも生産の低い100%オーガニック飼料による家畜飼育の可能性と制約について調査を行った。この問題は広い範囲に渡り、複雑であるが、現時点では可能であるとの経過発表がなされた。
オーガニック代用手段の発展
第一調査書によるとオーガニック家禽や豚の生産は、非オーガニックのタンパク源 の飼料を避ければ可能なことで、推奨できると発表。この方法で家禽類や豚などの 生産は動物の健康状態と福利に妥協せずに行える。
さらに、補足タンパク源としての非オーガニック飼料を禁止する事は、量的生産から高品質な食品生産への移行に重きを置くことにおいても向いていると考えられる。
これにより、オーガニック食品市場と従来の食品生産市場にはっきりとした区別がつき、それが今後の新たな市場の開発と消費者の信頼につながる。
オーガニック飼料も入手可能
EUのオーガニック農業制度では、オーガニック農家における家畜は、必ずオーガニック農法で作られた飼料を使うよう規制されているが、オーガニックの飼料が足りない場合は、ある一定の非オーガニック成分が混じった物でも良い事になっている。
第二調査書では、2002,2003年のEUにおける需要と供給の概略と推定について発表している。2002年2003年において、EUでは十分なオーガニックの作物と豆類での生産が可能であるとの計算結果を発表した。しかしながら、主に高タンパク源飼料の一部で不足が発生する。
これらの飼料類の需要と供給を比較してみると、2002,2003年EUにおいて、オーガニック用の家畜生産に必要な量よりも多い飼料が生産されている事がわかった。さらに、この両年の飼料生産において、需要よりも供給が多かった事が確認された。特に高タンパク源である豆類の飼料に関しては、2002年には需給のバランスがあったが、2003年ではわずかな飼料不足が確認された。つまり、オーガニック農法の高タンパク質源の生産は全体的に不足の傾向にある事と推測される。
現段階の研究報告書では、EUでのオーガニック農法による高タンパク質源の生産の認定を強調し、安心できる高タンパク質源の供給を広めていく事が重要であると締めくくられている。すでにこれらの高い供給率が証明されていため、今後オーガニックを広めていく解決方法として、現在流通している穀物とより高い品質の豆類や油脂作物とを入れ替えられるのではないかと考えている。
*Source: Core Organicニュースより
http://www.coreorganic.org/corenews/may05/euresearch.html
*Organic Revisionについてはこちら↓
http://www.organic-news.revision.org
翻訳:研修生 専田