シリーズ「ヨーロッパのオーガニック農業:経済と政治」
オーガニック農業は、ヨーロッパの農業政策を再構築するうえで、カギとなるポイントの1つである。オーガニック農業に関する経済的、政治的議論は、どんどん重要になってきており、独立したフォーラムが深くかつ最新の情報を提供し、科学的な公開討議の場をもつ必要性がある。これこそが、新シリーズ「ヨーロッパのオーガニック農業:経済と政治」の目的であり、Hohenheim大学の農場経営学部から出版されている。このシリーズは、ヨーロッパ全土の科学者の間で、これまでに類を見ない範囲で広がるヨーロッパにおけるオーガニック農業の発展を共有し、その結果を世界中の人々に示すため誕生した。
シリーズ第11弾がこの4月に発行されている。
第11弾では、環境に優しい農業の例としてもっとも有効であるものの1つであるオーガニック農業に関する共通農業政策(CAP)のアジェンダ2000について分析がなされている。著者たちは、CAPの2大柱となる施策が従来農業と慣行農業に与える影響について、様々な評価を行っている。一連の国と、農場のタイプ別に、直接支払い制の影響、価格支援措置、地方発展施策(農業環境政策、投資支援、加工/販売施策、研修施策、耕作不利地域支援)について分析されている。最後に、2003年の改正CAPがオーガニック農業システムに与えうる影響についての見通しと、オーガニック農業に対し、農業政策の効果を最大限上げるにはどうすれば良いかが提案されている。
この本は、一般農業ならびにオーガニック農業政策の分野における、政策担当者、各関係者、研究者に対し、アジェンダ2000の枠組みの中でのEU内のオーガニック農家支援策について、質的にも量的にももっとも広範囲にわたる評価を提供している。
タイトル:Organic farming and measures of European agricultural policy.
著者:Anna Maria Haring, Stephan Dabbert, Joachim Aurbacher,
Barbara Bichler, Christian Eichert, Danilo Gambelli,
Nicolas Lampkin, Frank Offermann, Santiago Olmos,
Jon Tuson, Raffaele Zanoli
シリーズ:Organic Farming in Europe: Economics and Policy
発行:Stuttgart-Hohenheim, April 2004
ペーパーバック、約270ページ、表80個、図55個、大きさ17×24cm
ISBN 3-933403-10-3
ISSN 1437-6512
価格:28 ユーロ
ご注文は以下のページからどうぞ
http://www.uni-hohenheim.de/~i410a/ofeurope/