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デンマーク、抗生物質禁止の結果

2003/05/09
出典:ニューサイエンティスト

ニューサイエンティスト誌の報告によれば、デンマークの農場で採られた成長促進剤としての抗生物質の完全使用禁止は、恐れられていたようなバクテリアによる食中毒の増加を引き起こさなかった。このデンマークの例は、近い将来EU全体が禁止に向かうテストケースとして見ることができる。

1950年来、生産性を上げるために少量の抗生物質が家畜に対して使用されてきた。結果として、多くのバクテリアが抗生物質への耐性をもつようになり、この耐性によってバクテリアが人間に危険を及ぼすかもしれないという不安がもとで、1999年、EUは成長促進剤としての大部分の抗生物質の禁止に踏み切ったのだ。現在まだ4種類の使用が認められているが、それも2006年には禁止となる。しかしデンマークは1998年に一切の使用禁止を選択した。

コペンハーゲンにあるデンマーク獣医学研究所において、1995年〜2001年まで約45万羽の鶏肉、そして83万頭の豚肉のサンプルが採られ、サルモネラ菌とカンピロバクターの存在傾向が調べられた。どちらの菌も人間に対しては食中毒を引き起こすが、動物に対してはまず問題になることはない。

抗生物質の禁止が、これらの菌の存在について検出が可能となるような影響を出さなかったことは驚きに値する。研究を行ったWegener氏は次のように述べている。「私はサンプルの肉からはバクテリアの数の増加が見られると予測していました。なぜなら成長促進剤を使用せずに育てられた鶏は、水分を多く含んだ糞を排出する傾向にあり、それは解体の際に肉を汚染しやすいからです。」また抗生物質のうち4つは、カンピロバクターの殺菌能力が徐々に停止に向かっていた。

しかしながら、デンマークが抗生物質の禁止を決めてからも、病気のコントロールを目的とした抗生物質の使用は50%も増加してきた。Wegener氏は「バクテリアは、人がその抗生物質を成長促進剤と呼ぼうが、治療薬と呼ぼうが構わないわけです。」と言う。これらの使用の増加は一部、豚のウイルス性伝染病による二次感染につながっている。もちろん、中には感染を抑えていたであろう成長促進剤や、実際に抑制するのに必要な抗生物質も存在しそうだ。全体として、1994年のピーク時と比較すると、抗生物質の使用は半分以下になっている。

大体においてストレス過剰となるような、すし詰め状態で家畜が育てられる集約農業を基本的に避けようとすることが、農場において使用される抗生物質の量を減らすための唯一の方法である。イギリスのオーガニック認証機関ソイル・アソーシエーションのリチャード・ヤングは、「家畜を飼う方法を完全に変えること、これが唯一の道だ。」と語っている。

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