イタリアのオーガニック詐欺、捜査が進展
執筆者:Karin Heinze
出典:L’Unione Sarda, Corriere del Veneto
イタリアのL’Unione Sarda紙オンライン版がレポートを発表し、イタリアのオーガニック詐欺事件が新たにメディアの話題となっている(例えばドイツのanimal-health-online.de)。オーガニック事情の専門家・コンサルタントのロベルト・ピントン(オーガニック・コンサルティング)によれば、今回報道されたのは新たな詐欺の捜査ではなく、2011年に摘発された詐欺事件について引き続き行われている捜査である。この大規模な詐欺行為は2007年から2010年にかけて発生したもので、2012年5月に初公判が開かれた。
サルジニア島では、イタリアで最大級となったこのオーガニック詐欺事件に関する捜査当局(警察および財務警察)の捜査が終了しようとしている。この事件は、「長靴をはいたネコ」および「オーガニック・ブラフ」事件として長く歴史に残るであろう。「L’Unione Sardaオンライン」の記事によれば、これまで16名が逮捕され現在再拘留中である。オーガニック品として販売された非オーガニック品は、およそ10万トン に上ると伝えられる。
捜査当局はこれまでに、サルジニアのカリャリ県カポテッラ市において、Kapo Terra Kommerciale S.r.l.社およびSocietà Agricola Biostore S.s.社の捜査を行った。両社は「長靴をはいたネコ」ネットワークのメンバーだったと考えられている。同紙によれば、これらの会社は、サルジニア、マルケ、プッリャ、エミリア=ロマーニャ、ヴェネトの各州で多種の幽霊会社を設立し、イタリア国内および欧州市場向けトウモロコシ等の農産品に偽のオーガニック認証を発行したうえ、脱税していた。主犯格の被告でサニーランド社オーナーのルイージ・マリヌッチは、現在ヴェローナで勾留されている。財務警察によれば、発行された偽のインボイスは4,000万ユーロを超え、脱税額はおよそ1,650万ユーロに上る。
2013年8月2日
翻訳:池田真紀