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「ウェールズ・オーガニック生産者調査」が発表される

英国では2012年にオーガニック生産品の売上が1.5%減少したが、今後のオーガニック市場について、同国のソイル・アソシエーションはプラスの見通しを示している。ところで、その報告書と同時期に、「ウェールズ・オーガニック生産者調査(Welsh Organic Producer Survey)」が発表された。これは、オーガニックセンター・ウェールズOrganic Centre Walesがウェールズ政府の委託を受けてまとめたもので、ウェールズのオーガニック生産品に関する動向と今後の課題を明らかにしている。この「ウェールズ・オーガニック生産者調査」では、オーガニック食肉の需要の拡大が指摘された。牛肉の売上は32%、ラム肉(精肉)は69%増加した。またオーガニック牛乳は10.6%の売上増だった。こうした伸びの背景には、2011年度にウェールズの多数の農業経営者がオーガニック認証を取得したことがある。しかし、それにも関わらず、オーガニック飼料の値上がりやオーガニック生産者への補助金の改正といった要因が重なって、今後数年間に多数のオーガニック生産者が非オーガニック生産へと戻らざるを得なくなるだろうとの懸念も指摘された。(写真:ウェールズのオーガニック野菜)

また、「ウェールズ・オーガニック生産者調査」は、2012年における直接販売の拡大も明らかにした。消費者に直接販売している生産者のうち、3分の1弱(28%)が売上を伸ばし、55%は大きな変動がなかった。直接販売の内訳は、肉(48%)と野菜(29%)が引き続き大半を占めた。また、直接販売を行っている生産者の半数以上(54%)は、売上全体の80%超が個人客への販売だった。

「ウェールズのオーガニック生産者が報告した売上状況は部分的には明るいものだが、今後、補助金の変更が打撃となることは間違いなく、そのためにオーガニック産品の生産量も減少する可能性がある」と、オーガニックセンター・ウェールズのニール・ピアーソン(Neil Pearson)は指摘する。さらに「現在我々は、飼料費の増加を部分的に相殺できる革新的な計画を、多数の生産者と協力しながら作成している。また、農作物および家畜の販売収入を補完するため、経営の多角化を探るオーガニック生産者も確実に増えている。しかしそうした努力にも関わらず、今後の事業見通しが中心的問題となっていることが、この調査で明らかとなった」と述べた。

今回の「ウェールズ・オーガニック生産者調査」によれば、オーガニック生産者の15%が今後12ヶ月間に非オーガニック生産方法に戻ることを考えている。過去4回の調査では、この指標が3%を超えることはなかった。しかも、今後2年間の見通しに絞れば、この値は47%に上昇する。非オーガニックに戻ろうと考えている生産者の47%が、飼料費の値上がりや、ラム等オーガニック家畜への政府補助の縮小といった経済面での全般的懸念を指摘した。一方、単一の最大の懸念(34%)としては、オーガニック農業に対する農業環境計画の今後の助成および欧州共通農業政策(CAP)改革全般の不透明性が挙げられた。調査結果全文はこちらから参照のこと:http://www.organiccentrewales.org.uk/

出典:オーガニックセンター・ウェールズ(Organic Centre Wales)

2013年4月10日

 

翻訳:池田真紀


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