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ナチュラルコスメの革命と成長

出典:NurnbergMesse、Vivaness
ライター:Karin Heinze

ドイツではナチュラルコスメの成長率がここ2年間は数%であったが、再び勢いを増してきている。2013年上半期の取引は、十数パーセントの売上増というとても良い結果であった。ここ数年同市場は世界規模で順調に成長している。マーケットリサーチの予測が正しければ、今後数年の見通しは明るい。消費者の情報収集能力も、着実にレベルアップしている。数年前に比べて、コスメやボディケアを購入する際は慎重に吟味し、問題のある原材料をチューブや容器に使用していないかチェックする人が増えている。世界のナチュラルコスメ関係者は、2014年2月12日から15日に開催された自然派コスメ・ボディケア商品の国際見本市、ビバネスに再集結した。バイヤー、商社、サービス業者、メディア関係者などが集まり、最新の製品トレンドや市場の開拓を行う世界最大の見本市である。

9月にベルリンで開催されたナチュラルコスメ会議で、GfK(Gesellschaft fur Konsumforschung:ニュルンベルクのマーケティングリサーチ会社)は、2013年上半期のドイツ市場における認証ナチュラルコスメの売り上げは10.2%の成長を記録した、と報告した。ドイツの市場関係者は、年末までには9億5000万ユーロへと売上を伸ばし、来年には10億ユーロ市場産業になると予測している。昨年に比べ、全ての経路で販売されたナチュラルコスメ製品は9000万ユーロ近くも売上増となった。上半期、従来の小売販売(薬局、オーガニックフード・ナチュラルコスメ販売店、健康食品店など)での売上げは伸び悩み、かろうじて市場でのシェアを拡大するに留まったが、大型ショッピングセンターやスーパーでは、売上は著しく伸びた。ドイツではBudnikowsky、dm、 MullerやRossmannなどの薬局が依然として市場を牽引し続けているが、認証ナチュラルコスメも特別価格やディスカウントの対象となっており、このことが売上拡大に一役買っている。

ブランドメーカーたちは、新たな顧客層を獲得するため、マーケティング戦略に新しい手法を取り入れている。ナチュラルコスメメーカー達は、宣伝効果の高いイベント、例えば映画祭(Dr. Hauschka、Logona)、ファッションショー(Lavera, Logona) 、催事やテレビ広告 (Lavera, Weleda)を利用し、新規顧客層の獲得に成功している。多くの消費者が製品の原材料に安全性を求め始めた事も、チュラルコスメが多くの支持を集めている一因だ。GfKの分析によると、売上達成率は2%から21%へと増加している。

ナチュラルコスメ製品を取り扱うLOHAS( Lifestyle of Health and Sustainability)の販売店があちこちに出来、若者の間ではサステナビリティを意識したライフスタイルが注目されるようになってきた。それに加え、持続的で健康的なライフスタイル(LOHAS)を提案する販売員のナチュラルコスメへの強い支持により、さらに多くの若者が持続可能なライフスタイルを好むようになった。

ショッピングの際は、環境、気候、動物に悪影響を及ぼさないもの、地産池消、地域・社会的公正を重視したものなどの要素は彼らの買い物の際に、重要な役割を果たす。購入前には頻繁に、インターネットで製品の情報を収集し、ディスプレイに表示してある情報をアプリで確認する。こうした購買者は、商品の原材料に問題がある場合は堂々と意見し、ネット上でその様な原材料の使用禁止を呼びかけたりもする。

他のヨーロッパ諸国でも同じような傾向が目立ち、国際的レベルでも顕著になってきている。例えば、ナチュラルコスメは隣国のフランス、イタリア、スイスでもダイナミックに成長し続けている。国際的なマーケットリサーチ会社であるKline & Company(米国、ニュージャージー州、パーシパニー)は現在、ナチュラルコスメ(メーカーレベルで)の全世界での売上は、約295億米ドル(生産者ベース)になると推定しており、2013年の米国市場では、流通レベルで45億米ドル(前年比7%増)に達すると見込んでいる。しかしこの予測には、ハーブや薬局のコスメなどの自然派コスメと呼ばれる製品、つまり認証製品ではないものも含まれている。それでも、Kline & Companyの見解では認証ナチュラルコスメは明らかにブームとなりつつあるとのこと。専門家は、これらの分野は世界規模で90億米ドル以上になると予測している。

フランスのヴァランスにあるナチュラルコスメ団体兼認証団体であるCosmebioによると、フランスでのナチュラルコスメの市場占有率は全体の約4%に達し、2012年の認証ナチュラルコスメの売上は3億8000万ユーロであったという。もしここに自然派コスメ部門を加えると、2013年末までに市場規模は約4億5000万ユーロにわずかに満たない程となるだろう。

イタリアも成長している。Cosmetica Italia協会(イタリア、ボルガレッロ/パヴィア)は最近、現在の市場データを発表し、2013年の上半期、ナチュラルコスメ製品(認証、自然派)の売り上げは3.5%上昇したと伝えた。これを受けて、専門家は同年度末までに4億1000万ユーロの総売上げを予測している。

スイスでは、オーガニック食品と認証ナチュラルコスメのトップ卸売業者Bio Partner社のロジャー バッハマン氏によると、スイスでのナチュラルコスメ市場はポジティブであるという。全コスメ市場においてナチュラルコスメのシェアは約3%と推測される。専門家はナチュラルコスメブランドは、おしなべて二桁台の成長を見込めると考えている。ドイツとは対照的に、スイスではオーガニック食品店と健康食品店は伝統的販売チャンネルとして主要なポジションを保ってきた。しかしとりわけデパートそして薬局、ドラッグストアでも取扱商品を増やし売上を伸ばした。

スイスではネット通販でもナチュラルコスメへの関心が徐々に高まってきている。中でもPortanaturaは主要オンラインショップだ。店舗販売では、小売取引のリーダー的存在であるCoopとMigrosの二社、並びに、チェーン店を展開し、最近健康食品店とオーガニック店を統合したEgliやMullerなどが、ナチュラルコスメを幅広く取り揃えている。Coopでは認証ナチュラルコスメのオリジナルブランド、Naturalineシリーズをつくり、ドイツの有名ブランドも取り揃えている。競合のMigrosは、ドイツの商社、Alnaturaと手を組んで、チューリッヒにある共同出資のオーガニックスーパーにナチュラルコスメを幅広く取り揃えることに成功している。一般的に、スイスの消費者は品質を重視するが、他のヨーロッパ諸国や世界中で見られる傾向と同じく、以前にもまして製品の原材料に敏感になっている。消費者テレビ番組も、この件のオピニオン形成に貢献している。ヴィーガニズム(完全菜食主義)も成長分野と言われており、ナチュラルコスメの販売増の一要因であろう。

世界のコスメ業界で、ナチュラルコスメは長年革新と成長を遂げてきた。植物性美容のトレンドはまだ去りそうにない。世界的に、容器やチューブにより自然なものを取り入れる需要はまだまだ続く。マーケットリサーチ会社は、ナチュラルコスメの世界中の市場はこれから数年間は際立った成長を続けるだろうと予測している。研究開発は道理にかない、フェアーで持続可能な代替品(原料)を求めて革新的でなければならない。自然環境を破壊したり、発展途上国の小農民たちを搾取するのではなく、我々が求めているのは公平な関係であり、むしろ社会的・経済的に不利な立場に置かれている人々をサポートし、世界中にオーガニックの農業を広める事である。ナチュラルコスメを扱う会社はきちんとこの目標を達成すべく努力している。彼らはまた社会的責任を果たしている。というのもこれからの消費者たちは透明性、価値の実現、環境への配慮を求めているからである。

トレンドリサーチ会社は、将来の消費はより公正に、より価値を重視するようになるという。ライフサイクルの分析では、西洋の消費者が物を購入・消費する行動には、環境汚染に対しても大きな責任を伴うと結論づけている。そのため、消費者も考え方を改める必要がある。ますます多くの人がこの事を認識し、自分の行動を正そうとしている。太平洋ゴミベルトという、インドと同じくらいの大きさのプラスチック廃棄物でできた新しい大陸が出現したことを考えれば、こうしたアクションが必須であることは疑いの余地がない。ナチュラルコスメのメーカー達は、製品とパッケージを、より持続可能にする解決法を常に探している。このため現在管理されているチュラルコスメの認証要件は原材料に関する規定だけでなく、限りなく持続可能で環境に優しいパッケージを利用すること、という規定も含まれている。

最近大きな注目を浴びているトレンドはヴィーガニズムである。完全菜食だけでなく、動物性物質を使用しないコスメの利用も厳しく求められる。この点では、ナチュラルコスメはメーカーたちは一歩リードしている。彼らの製品の多くは動物由来原料を全く使っていない。なぜなら規定でそれらの物質がほとんど許されていないからだ。しかし、ナチュラルコスメでは蜂蜜、蜜蝋、羊毛脂はいまだ重要な原材料である。一方、これらはヴィーガンコスメでは使用されていない。ヴィーガンコスメといえばすべてのコスメが管理されたナチュラルコスメというわけではない。ヴィーガンの製品では、上記の動物性の材料は合成の原材料で代用される事が多い。知識豊富な消費者の多くが望んでいるのは、明らかにこれまでのような石油系物質で作られたコスメが復活するようなことではなく、自然の力に置き換える事なのである。

2014年1月7日

翻訳者:秋山 藍子

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