種の自由に関する新レポート
種の自由(Seed Freedom)に関するレポートの必要性は、2011年のGMO白書「 GMOは裸の王様 (The GMO Emperor Has No Clothes ) 」において、バンダナ・シバ博士、ルチ・シュロフ、キャロライン・ロックハルトが共同執筆したプロセスに起因している、とこのレポートの著者たちは言う。
化学物質フリー、GMOフリーの食糧と農業システムを創造するためには、種から始める必要がある。
地域レベルでは、何百ものコミュニティー、ネットワーク、団体、何百万もの種を保持する人、種を守る人が自家採種をして、無償の種の保護と維持のために働き、種の主権を徐々に衰退させる法律と闘っている。しかし、グローバルレベルで種の未来を形作っているのは企業の支配だ。新レポートの著者たちは、種の自由のための「世界市民同盟」の創設を通して、団結してこの流れを変え、種の自由を守る運動の強化のために、世界中に点在する多くの声を結ぶことを決意している。新レポートは、この同盟の構築に向けた第一歩である。
同レポートは、100以上の個人、コミュニティー、ネットワーク、団体による参加プロセスを通して書かれ、種と種の主権の侵害、そして深刻化する種の緊急事態を詳しく考察し、種を救済する人々の話と種を守る人々の話をまとめている。単一栽培の向こうにある未来をつくる創造的なオルタナティブについて、また種を支配から解放する過去の取り組みの歴史と、多様性と共有資源に対する独占の両方をうまくとらえている。
著者たちは、自分たちが未だ知らない、種を解放する重要な仕事に従事している多くの個人、草の根団体、ネットワークがあることを理解しており、運動を世界規模で高めるプロセスを通して、それらが相互に手を差し伸べ、この共通の仕事を強固にすることを望んでいる。
「種の自由」は、人々、コミュニティー、研究機関や政府に対し、世界の種子と食料の安全保障の未来に対する深刻な危機と、それを逆転するために何をしなければならないかについて、警告を与えることを目指している。最初の目的は、 種と自身を解放する自らの力に気づいている市民の自己強化だ。2つ目の目的は、社会的な力をもつ市民が、種への特許と種の自由を奪う法律を押し返すように政府や研究機関に対して圧力をかけるようにすること。3つ目の目的は、種の自由のための法律を可決することである。
さらなる詳細はここから入手可能:Seed Freedom Campaign
出典:Seed Freedom
Organic-Market.Info.
(翻訳:ボランティア 大畑 恵里さん)