GM種子の世界的な影響に関する新しい映画 「Seeds of Freedom ~自由の種(仮訳)~」
種を題材にした新しい短編映画が、6月12日、オンライン上で開始された。世界中の伝統的で多様性豊かな農業システムの中心にある種のルーツから、影響力の強い商品に変換され、グローバルな食糧システムを独占するために利用される種までのストーリーだ。特徴のある声で映画のナレーションを担当するのは、イギリス人俳優で、国連食糧農業機関 (FAO)親善大使でもあるジェレミー・アイアンズ氏だ。
氏はこう語る。「このような重要な映画のナレーション役をいただいて大変うれしく思います。この映画は今という大変なときに、重大なメッセージを伝えています。私たちは食糧システムの中の広大で豊かな多様性を喪失する瀬戸際にあります。それもほんのわずかの企業の手によって失ってしまう、しかもそのような企業が私たちの食卓に提供するのは、幻想の選択でしかないのです。」
ガイア財団とアフリカ生物多様性ネットワークの合作映画、「Seeds of Freedom」では、世界の名だたる環境評論家や環境活動家へのインタビューを取り上げている。バンダナ・シヴァ博士、ザック・ゴールドスミス下院議員(英)、キャロライン・ルーカス下院議員(英)、クミ・ナイデュー氏(グリーンピース事務局長)、ジョーン・ビダール氏(Guardian誌の環境専門の編集者)、メラク・ヲレデ氏(NGOのSeeds of Survival 共同創設者)、ヘンク・ホベリンク氏(Grainネットワークのコーディネーター)などだ。映画が語る物語は、どのようにしてGM花粉によって汚染された北米の農家が提訴されたか、GMコットンがどのようにしてインド農家の負債を急増させたか、そして種子の多様性が商業種子に取り替えられるにつれて、どのように農家たちはますます気候変動に対して脆弱になったか、などだ。産業農業システム、特に遺伝子組み換え (GM)種子が、世界中の農家や農村が発展させてきた膨大な農業生物多様性に対して、どれほど影響を及ぼしてきたかを浮き彫りにしている。アフリカの農民たちは大陸中に導入されたF1種子の影響を受けてきたが、今度は食糧システムへのGMの侵入が増大していることに対して懸念が高まっている。Seeds of Freedom では、こういった多くのアフリカ農民の声を取り上げている。
アフリカ生物多様性ネットワークのGathuru Mburu氏はこう語った。「私たちはアフリカに、そして発展途上国に、GM反対のグローバルな声を届ける映画を制作したかった。モンサント社、シンジェンタ社、ビル・ゲイツの 『アフリカ緑の革命のための同盟 (AGRA)』のような人たちはすべて、人口を養うためには GMだけが唯一の道である、という合言葉のもとアフリカに向けて前進している。アフリカの農家たちは『NO』と叫んでいるのに、それらの声はかき消されているのです!」
GM技術は、農家を助けたり、飢餓状態にある人々を養うために開発されたのではない。特許付きの種子、肥料、殺虫剤、その他の商品のための新たな市場を創造するために開発されたのだ。この30分間の映画は、世界中の聴衆のために、以下のウェブサイトから無料で視聴、ダウンロードが可能だ。www.seedsoffreedom.info
出典:Seeds of Freedom
Organic-Market.info
(翻訳:ボランティア 大畑 恵里さん)