オーガニックレポート:インドのオーガニック事情その2
オーガニックと聞いて最初に思い浮かぶのは食品や化粧品ですが、オーガニックコットンも注目度が非常に高くなってきていますね。コットン生産量では世界2位、オーガニックコットンの生産量は世界一を誇るインドですが、インド国内でオーガニックコットンを使った製品を見かける事はほとんどなく、オーガニック製品は外国への輸出用もしくは外国人向けという印象を受けました。先進国に比べると、インドには天然素材でできた商品が圧倒的に多いのが理由の一つかもしれません。それでも見つけたインドのオーガニック!という事で、今回は、オーガニックコットンを使ったインドのエコブランド1つ(日本初のレポートです!)とオーガニック衣料を取り扱う企業3社をご紹介します。
Ela
インド人デザイナーJoytjit Talukdar氏によるエコファッションブランドEla。サンスクリット語で「母なる大地」を意味するこのブランドは、ニューデリーで行われた2011年春夏ファッションウィークで最高のショーとされただけでなく、世界各地のグリーンショーなどでも注目されているブランドです。それは単に、オーガニックコットン(現在、オーガニック認証に申請中)のみを使用、化学薬品を使わず、デザイン、制作、出荷の全課程において、廃棄物の排出を最低限に押さえる、など環境への配慮をしているからだけではなく、エコファッションでありながら、ベーシックな シルエットや装飾で終わらない魅力があるからでしょう。柔らかいオーガニックコットンに、手の込んだデコレーションやドレープが入っていている為、モダンでミニマリストなシルエットを保ちながらも、どこかしらゴージャスな印象があります。それが人工的な着飾りでないところが、オーガニックファンにはたまらない魅力です。インド人デザイナーによるデザインとニューデリー市内の工場で生産されるElaは大人気の様子で、elaのオフィスからいただいた取扱店リストに載っているお店にも、ほとんど在庫が残っていませんでした!
取扱店情報
ニューデリー
Ogaan
Ogaan Hauz Khas Village
H-2 Hauz Khas Village,
New Delhi 110016
*Ogaanはニューデリー市内に何店かありますが、Hauz Khas Villageにある本店でしかElaを見かけませんでした。Ogaanはインド人デザイナーの服の取扱いも多く、インドの最新のファッション事情を知るには最適なお店です。
ムンバイ
Bombay Electric
1 Reay house
Best marg
Colaba, Mumbai
Ela
www.ela.org.in
(オフィシャルホームページですが、現時点では準備中。)
ファブインディア
衣料、ファブリック、アクセサリー、インテリア用品、家具、化粧品、食品など、あらゆる商品を取り揃えるファブインディア。インド国内では必ず目にするリテールショップです。海外店を含め全145店の展開。インド人の職人技術に魅了されたアメリカ人が1960年に創立、現在は創立者のインド人妻との間に生まれた息子が社長となり、同社を指揮しています。企業として利益を上げるだけでなく、職人の技術向上、職人の待遇改善、地域社会に役立つよう率先することが使命と考え、その姿勢は創業以来変わらないようです。衣料品のオーガニック製品は見受けませんでしたが、ファブインディアのオーガニック食品にはインドのオーガニック認証がついており、企業の本気度を感じました。
Fabindia
http://www.fabindia.com/
アノーキー
手工芸で有名なジャイプールに本社を置くアノーキーは、ブロックプリントを使った製品がとても有名です。衣類、ベッドリネン、インテリア用品、小物類、アクセサリー、紙製品、とインドならではの商品が目白押しです。インドの伝統的な染色方法で染めた布にブロックプリントが施されていて、西欧のデザインを取り入れたモダンさがなんとも言えず素敵で、価格設定も良心的なのでついつい買い込んでしまいます。インドの伝統であるブロックプリントの保護と発展に精力を捧げるため、地元産業の活性化に力を入れる一方、ヨーロッパのテキスタイルを学んでいる学生をインターンとして積極的に受け入れるなど、倫理的な面でも優秀な会社だと思いました。このブランドの衣類の一部は、認証マークこそありませんでしたが、オーガニックコットンを使った商品でした。
ジャイプール市街から車で30分程の場所には、アノーキーミュージアムがあり、壮大な数の布や同社製品のコレクション、プリントテキスタイルの保存法やプリントによる意味の違いなどが詳しく解説されています。アノーキーミュージアムでは、ブロックプリントの体験もでき、自分だけのオリジナルTシャツやハンカチを作る事が出来ます。廃墟となっていた貴族の元お屋敷を改装し作られたミュージアムは、アノーキーの活動とともに文化保護活動としてユネスコにも認められたそうです。ジャイプール市内の店舗とミュージアムにはショップにカフェが併設されています。ニューデリーには何店舗かあり、小さいながらも1店舗(二サムディン)にはアウトレットがあります。
Anokhi
www.anokhi.com
アノーキーミュージアム(Anokhi Museun of Hand Printing)
住所:Chanwar Palkiwalon ki Haveli (Anokhi Haveli), Kheri Gate,Amber,Jaipur
電話:+91-141-2530226/2531267
料金:30ルピー、カメラ持ち込み料30ルピー
時間:火曜~土曜: 10:30~17:00、日曜: 11:00~16:30
休み:月曜および祝日
グッドアース
伝統文化の継承とエコを企業理念としたセレクトショップのグッドアースは、テーブルウェアやベッドリネンなどのインテリアからスキンケア、香水、衣類まで、その上質かつ自然にこだわった品揃えが、外国人にも大人気です。オーガニックコットンを使ったタオルや衣類の取扱いがあります。ムンバイとニューデリーではショップにレストランが併設されています。
GOODEARTH
www.goodearth.in