中国の怪しげな認証実務
オーガニック食品が中国のスーパーマーケットの棚に見られるようになったのは、ここ数年で、食品の安全性が問題になり消費者がよりグリーンな食品を求めるようになったからだ。国民の多くはオーガニックに対し漠然とした考えしか持っていないが 、オーガニックでない選択をする事で受ける健康上のリスクを恐れている。彼らはオーガニック食品に対して(通常の食品の価格の)3倍までなら支払うつもりでおり、商品にしかるべき表示をする農家や企業に信頼をおいている。
しかしながら、新華通信社が行った調査によると、たとえ商品が認証取得条件を満たしていなかったとしても、生産者がわずか数千ドル支払えば「グリーン」な認証を得られる、ということが分かった。People’s Daily onlineは、認定機関が緩い法体系を悪用して、オーガニックに対する高い需要につけ込んでいる、と報じている。「認証機関の中には、オーガニック認証を発行し放題している機関がある」と長年オーガニック食品の販売、加工、梱包をするオーガニック食品の仲介業者であるLiu Gang氏が言う。Baidu (中国の検索サイト)で検索すると、 農業生産の検査および「グリーン」な認証の発行を短期間でできると強調するコンサルタント組織がいくつも見つかる。
こういった「認証機関」がその気になる農家を見つけるのは、インターネット経由だけではない。山東省のあるオーガニック農家を運営する中国人は、公認のオーガニック認定機関から認証された後に小規模な認定業者から絶えず受けた電話に悩まされた、と話した。同紙によれば、電話主らは、一定の料金さえ受ければ、認証が受けられなかった野菜にも1ヶ月以内に「グリーン」認証を与えることができる。印刷会社の中には、料金さえ受ければ、商品がオーガニックかそうでないかに関わらず「グリーン」認証に参加し「オーガニック」ラベルを印刷する構えのものもいる。また、オーガニック農業では許可されていない化学薬品を使っている農家も見つかった。
当局は、中国にオーガニック産業を統制する為の包括的なメカニズムが欠けている事を認め、その理由として、様々な政府機関がオーガニック食品の生産や流通に関わっているため、どこに何の責任があるかが不透明になり、どの機関も最終的な権限を持たないことを挙げた、とPeople’s Daily onlineは伝えた。規制を強化するため、 認証機関は、商品の認定機関や生産者を追跡できるよう各認証マークに特定の番号をつけることが義務づけられ、また、このルールを破った場合、認証機関はその権利を剥奪されると伝えられた。現在、中国には24の公認オーガニック食品認証機関が存在する。中国農業科学院のある教授は、数多くの問題に取り組まねばならず、この国のオーガニック食品部門が発展を遂げるのは難しい、といった。
出典: People’s Daily Online
Organic-Market.Infoより
(翻訳:ボランティア 越川加奈子さん)