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ウクライナ、オーガニック生産関連法に拒否権の発動

ウクライナ大統領は、2011年4月21日同国議会で採択されたオーガニック生産関連法に対し、拒否権を行使した(前関連記事参照)。2007年より同法案の採択の為に多大な努力と時間が費やされたが、専門家の予想に反し、また資金面での支援を記した章が含まれないにも関わらず、このような結果となった。公式発表された理由はウクライナ語でこちらからアクセス可能。


このため、ウクライナでは未だオーガニック関連法が存在しないということになる。しかし、メディアや消費者のみならず同国内のオーガニック分野における利害関係者も、スイス−ウクライナのプロジェクトである「ウクライナにおけるオーガニック認証と市場開発」に従いながら、近い将来オーガニック関連法を成立させられることを引き続き願っている(FiBL:オーガニック農業研究所)。拒否権行使の後オーガニック生産関連法案は再度議会へと戻されるが、大多数の議員が大統領の政党出身のため、議会が大統領の拒否権を覆すことになることは期待薄だ。法案の推敲(すいこう)から採択まで、一から始め直さなければならない。
FiBLプロジェクト「ウクライナにおけるオーガニック認証と市場開発」は、ウクライナの政策立案者との対話を継続して行っていく。農業政策・食糧省のルディウク氏(A. Rudiuk)と最高会議(ウクライナ議会)の農業政策土地制度委員会のジドコフ氏(O. Zhydkov)両2名の政策担当者がFiBLプロジェクトによる支援を受け、2011年5月ポーランドへのオーガニック視察ツアーに参加した。ポーランド農業・農村振興省のルジツキ氏(M.Rzytki)は、ポーランド省で実務会議を企画した。同省は、オーガニック生産の国家支援やオーガニック生産品に対する実施メカニズム、オーガニック認証の助言制度に加え、国内におけるオーガニック農業の規定をも有している。また、このウクライナ側の政策担当者はオーガニックマーケットフォーラムにも参加した。
FiBLはチェコの農業副大臣ジリ・アーバン氏もウクライナに招待した。そこで同氏は自国におけるオーガニック農業発展の経験について、オーガニック分野関係者のみならずウクライナの農業政策・食糧省にも話をした。会合は2011年6月に開催されたウクライナ最大の農業見本市AGROの場で、オーガニックセミナーの間に行われた。
2011年6月30日
出典:FiBL
Organic-Market.Infoより
(翻訳:ボランティア 西野 実加さん)

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