新たな構想:オーストラリアの小学生、農家とつながる
オーストラリアのヴィクトリア州政府が支持する新たな構想のもと、小学生にオーガニック食品とオーガニック農業について教えるために農家が力を貸すことになる。
オーストラリアのオーガニック団体バイオロジカル・ファーマー(BFA)とヴィクトリア地域開発局は、2011年2月23日、てんとう虫オーガニック農場で「農家とつながろう」プログラムを正式に開始する。BFAのオーガニック学校ガーデン・プログラムの一部である「農家とつながろう」構想は、「分離する都市と農村」の架け橋となり、学校児童に一次生産の直接体験と農場見学を提供することを目的としている、とBFAは報告する。
てんとう虫農園のオーガニック農家スティーブ・スコピリノス氏(写真)は、この構想で最初に「つながった農家」だが、子供たちにオーガニックの野菜や果物について知ってもらい、自分たちの食べ物が本当に良いものだと確信が持てるように教育できることを期待しているという。
スティーブは農家の三代目であり、メルボルンで最も古い野菜生産ビジネスの一部だが、2005年にオーガニック農業に切り替えている。彼は言う。「3人の子供の父親として、食物中の化学物質、味がしない野菜、環境への悪影響を心配するようになった。」さらに「まず土を大事にすることから始めて、子供たちに人々や環境を優先することの大切さを教えるのを楽しみにしている。」と語った。「つながった農家」として、スティーブはコーブルク小学校を数回訪問し、児童のために農場ツアーを主催するなどして学習できる環境を提供する予定だ。
「農家とつながろう」は、BFAのオーガニック学校ガーデン・プログラムに関連する幾つかの構想のうちの一つである。このプログラムにはオーストラリアの小学校およそ600校とオーガニック認定農家2000人以上が登録している。プログラムの主任であるジェーン・バーンズ女史は、この構想は「農業体験の一助となり、何千人ものオーストラリアの小学生たちに自分の食べ物がどこから来るかについて教育できる可能性がある。『農家とつながろう』は、BFAの学校ガーデン・プロジェクトに参加する小学校にとって、本当のオーガニック農場で生活体験をし、健全で、環境面で持続可能な食物がどのように生産されるのかを発見するための絶好のチャンスである。」と語った。
2010年中頃のBFAオーガニック学校ガーデン・プログラムの導入を受けて、オーストラリア中のすべての学校が、オーガニック農業の良さを理解しつつある。この8歳から12歳までの児童向けプログラムは、オーストラリアのすべての学校のために無料で利用可能である。教室と野外両方で行われる授業のための教材は、オーストラリアのオーガニック基準に沿って書かれ、監督者や教師のための総合的な注釈付きで提供される。
出典:Organic-Market Info
(翻訳:ボランティア 大畑 恵里さん)