フランス:公共食堂の2010年オーガニック食材の導入状況
Agence Bio(フランスのオーガニック農業の開発・促進の公共機関)が発表した、学校、病院、企業などの公共食堂が購入したオーガニック食材に関する最新数値は、同市場の拡大を顕著に示すものであった。
オーガニック食品を提供している公共食堂の割合は、2009年の36%に対し、2010年は40%と1年間で4%の伸びに留まり、その数はフランス全土で約2万9千となった。中でも大規模な公共食堂(1日500食以上を提供)は、(オーガニック食品提供が)2009年初旬に45%だったのに対し、2010年は62%と高い伸びを示した。
採用されたメニューは様々だが、定食やコース料理の全てにオーガニック食材を使用するよりも、定期的にオーガニック原料や食品を利用することが優先された。オーガニック食品を導入することを決めた食堂のうち、少なくとも月1回提供している食堂は、2009年初旬の36%に対し49%、毎日提供している食堂は5%に対し13%に増加した。
公共食堂に導入された主なオーガニック製品は生鮮食品である。とりわけ2010年に果物を提供すると申告したレストランが一番多く33%(そのうち82%のレストランは既にオーガニック食品を提供している)、次に乳製品を導入するレストランが31%(同様に77%)、そして野菜が27%(同様に67%)と続いている。
果物の中で一番の人気はリンゴである。オーガニック食品を既に導入している公共食堂の77%が、2010年にリンゴを提供するとしている。次に乳製品(73%)ではヨーグルト、野菜(59%)ではニンジン、食肉(37%)では鶏肉、そして最後に乾物類(39%)では米とパスタ類がもっとも多くなっている。
オーガニック食品を2010年度に導入した公共食堂のうち9割が、追加費用が発生したと申告した。平均(全ての使用方法を併せた場合)して21%の追加費用が発生し、定食の料理全てにオーガニック食材を使用した場合は30%増になった。 公共食堂が2009年に購入したオーガニック食品(生鮮食品、冷凍食品、乾物、パン以外の穀物類など)の総額は9,200万ユーロ(約110億円)となり、市場は2008年に比べ2倍に拡大した。公共食堂に於けるオーガニック食品の消費拡大の見通しはとても明るい。2010年初旬にオーガニック製品を購入していないレストランのうち37%が、2012年迄にオーガニック食材を導入する予定であると申告している。2012年には全体の8割の公共食堂で、オーガニック食品が提供されるであろう。
2011年3月30日
出典:Agence Bio
Marche-Bio.infoより
(翻訳:ボランティア 北村 公和さん)