イギリス:食の公正−誰が我々の食費を負担するのか?
産業界の主要人物と公共部門および慈善団体は、食の仕組みをより公正なものにするために、金融・通商・雇用の面での根本的な変革を求めて協力してきた。
「食の公正:食と公正性に関する調査報告書」は、農家や農業従事者・環境・消費者が食について高い代価を支払っていることを指摘している。「食と公正性に関する調査委員会」は、公正取引財団CEOのHarriet Lamb氏、英国小売業連合からAndrew Opie氏、食品・飲料連盟会長のMelanie Leech氏、労働派遣業者認可局のPaul Whitehouse氏、そして社会運動グループSustainを運営するJeanette Longfield氏など、あらゆる方面の食品部門の関係者14名で構成された。彼らは食の仕組みについての1年にわたる調査の中で、野菜袋詰め労働者・食品製造労働者・環境保護組織・公衆衛生の専門家・その他多数の人から証言を聞いた。
報告書では、政府・企業・非営利組織そして一般市民に対して強い調子で勧告がされている。健康的な食事に関して、政府は人々が良い食事を摂りづらい原因に取り組み(社会保障や最低賃金の水準から肥満の原因となる環境への取り組みまで)、税金を使って行われている食に関する調査と刷新について、一般市民に発言する機会を与えるよう強く勧めている。都市を規制することに関しては、政府が金融規制を強化して食料価格を材料にした投機を制限することによって、世界的な食料価格変動を抑制することにリーダーシップを発揮すべきだと述べている。食の安全に関しては、農家、特に小規模農家が彼らの名のもとに行われる調査にもっと発言の機会を与えられることを求めている。安価な食料品に関しては、「お手ごろ価格」の意味を再定義する必要性を提起している。消費者を含むすべての人が、社会で最も貧しい人々に打撃を与える環境面・社会面を犠牲にしてその「安さ」が成り立っていることを認識しなければならないだろう。法人税に関しては、企業に、自分たちが活動しているすべての国に対して売上げの一部を税金として納めていることを示すことで、社会における企業の良きあり方を追求するよう求めている。
Organic-Market.infoより
(翻訳: ボランティア 後藤健介さん)