私の見たフランスオーガニック〜2009年版<2>〜
前回に引き続き、フランス、特にパリで目にしたオーガニックについての報告です。のっけから余談ですが、ソーシャルコンシェルジュの林民子さんが以前ご自身のブログで「グリーンハント」という言葉をつかっておられました。「出張や旅行で行った国や都市でグリーンなものを見つける」という行為を指すそうです。思えば私も、どこに行っても気になるのは、「ここのオーガニック度はどのくらい?」というもので、レストランに行けばワインリストにオーガニックのものがあるか見たり、スーパーに入ればオーガニック食品の取扱いがどれだけあるか見たり。街を歩きながらも、畑を訪れているときでも、気になるのはそこばかり。私の場合は、グリーンハントの中でもさらに厳選した「オーガニックハント」ということになるでしょうか・・・
さて、前回は今年私の「オーガニックハント」の中でもっとも目をひいた、オーガニックブティック(洋服店)についてのお話をしましたが、今回はここ数年、パリを歩いていたら必ずと言っていいくらい目にするオーガニックスーパー「Naturalia(ナチュラリア)」についてご紹介しようと思います。
私自身がNaturaliaの存在に気づいたのは、今から4〜5年前のことだったでしょうか。ところが、創業はなんと1973年だというから驚きます。現在では、パリおよびその近郊に39店舗を構え、5000種類以上の商品を取り扱っているそうです。(だから、どんどん目に飛び込むようになってきたのですね!)ナチュラリアの目印は写真でも見えるこの赤い入り口です。パリという土地柄もあるのでしょうが、巨大なショップではなく、私が入った数店舗のナチュラリアはすべて、日本で言えば青山のナチュラルハウスさんくらいの規模です。入り口近くにレジがあり、パンはレジの後ろに並んでいて、レジ精算時にパン屋さんで買い物するように「バゲット1本ください。」というような仕組みになっています。
また、レジ前には毎月発行される読み物のほか、パンフレットその他もいろいろあり、情報もとても豊富です。例えば今月の特集はパン。商品を取り上げつつも、パンについて材料や作り方、栄養のことなどにも触れてあり、このシリーズをためていくと、知識も豊富になりそうです。
店内の品揃えもすばらしく、4000種類以上の食品がオーガニック認定されたものだそうです。生鮮食品から加工食品、飲料、スパイスやハーブ類まで本当に何でも揃います。食品以外にも洗剤類や歯磨き粉、化粧品などもあり、ここに来ればオーガニックな日常生活は問題なく送ることができます。
今年になって特に目に付くようになったのが、赤が目印の可愛らしい雰囲気のNaturaliaとは対照的に、白を貴重に赤で文字が書かれたとてもすっきりした印象の「Naturalia Beaute Bio(ナチュラリア ボテ ビオ)」。こちらはオーガニックの化粧品だけを扱った専門店です。これまで化粧品は食品スーパーの中の一コーナーだったのですが、いよいよオーガニックコスメが食品と同じスペースでは並ばなくなるくらい種類が豊富になったということですね。
実際私も化粧水など買って帰るつもりだったので入ってみました。そうしたら、既に何年も前から普通の薬局でも入手がしやすかったオーガニック基礎化粧品に加え、メイクアップ用品も実に数が揃っていました。色のバリエーションも豊かで、直接口につける口紅や目のすぐ近くのマスカラなどはオーガニックのものがこれだけ充実していると本当に嬉しくなってしまいます。(もちろん、買ってしまいました!)
今では一般的なスーパーにも、必ずオーガニック食品のコーナーもしくは一般の食品に混ざってオーガニックのものも置いてあるので、オーガニック製品が誰にとっても身近な存在になってきたのは確かです。けれど、たくさんあるオーガニック製品の中から、自分の好みのものが選べるこのNaturaliaのようなお店は、オーガニックなライフスタイルを可能にしてくれるとても大きな存在です。
●Naturalia HP:http://www.naturalia.fr/
次回はパリだけではなく、フランス全土のオーガニック食品の強い味方、「Biocoop(ビオコープ)」についてレポートしようと思います。