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成長を続けるヨーロッパのオーガニック農業

ヨーロッパのオーガニック農地は拡大し続けている。より良い政策支援、市場の成長、研究活動の増加に伴い、オーガニック農地とオーガニック農家数も増えている。オーガニック農業調査研究所(FiBL)がBiofach2005の会議で発表した内容だ。


FiBLとウェールズ大学農村科学研究所によれば、2003年12月31日時点で、EUのオーガニック農地面積は580万ヘクタール以上、農家数はおよそ151,000軒になった。これは全農地面積の3.4%に値する。FiBLの予測では、今後数年間オーガニック面積は増加を続けそうだ。この傾向は特に新規にEUに加盟した国々において顕著であり、非常に大きな伸びを見せている。オーガニック食品と農業に関するEUのアクションプランやその他の支援政策は、将来EUの全25カ国のオーガニック農業を促進することになるだろう。
EUの新しいオーガニック農業アクションプランは、ヨーロッパにおけるオーガニック部門にとってのマイルストーン(道しるべ)である。しかし、FiBLのMatthias Stolzeは「欧州委員会のオーガニック農業発展への目標はまだあいまいで、実施のための財源も割り当てられていない。それでいて、欧州委員会がアクションプランで強調しているのは、EU農業政策の一部としてのオーガニック農業の重要性なのだ。」と批判している。
ヨーロッパのオーガニック製品の売上げは、2003年にはおよそ5%伸びて、ほぼ110億ユーロ(約1兆5千2百億円)に到達すると見られている(注:公的な最終数字はまだ出ていないため)。ドイツは国としては、依然ヨーロッパ最大の市場である(2003年のオーガニック製品売上げは31億ユーロ:約4300億円)。FiBLのToralf Richterは、ヨーロッパ、いやおそらく世界でみても、オーガニック市場のトップは明らかにスイスであろうと指摘している。スイスでは、オーガニック製品への出費が国民一人当たり年間100ユーロ(約13,800円)以上となっている。
オーガニック農業の研究は、オーガニック部門が将来発展していくためのもうひとつの大きな推進力である。ヨーロッパでは、オーガニック農業研究は、今や完全にニッチの域を脱し、年間8000万ユーロ(約110億円)がそこに投入されている。ドイツは、オーガニック農業に関する連邦計画のお陰で、オーガニック農業研究に重きをおいており、(EU全体の8000万ユーロのうち)年間約700万ユーロ(約9億7千万円)を使用、さらに連邦や地方の財源からも1200万ユーロ(約16億5千万)に近い金額が拠出されている。
「オーガニック農業は、食品の品質、栄養の偏り、肥満、公衆衛生費用といった、現代社会の抱える環境面・倫理面に関する多くの問題に答えることができる。これらの相互関係をさらに探究するためにも引き続き調査研究が必要である。」とFiBL代表のUrs Niggliは話している。
※FiBLより

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