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ジャンクフードだけじゃない?米国の菜園事情

近年、アメリカでは「ローカル」「オーガニック」「ナチュラル」がトレンドワード。
多国籍企業のブランドでも、ナチュラル系製品を出すなど、消費思考が変わってきているのです。

今回は、アメリカのファーム事情として、より生活に身近な家庭菜園、コミュニティガーデンについてのレポートです。実際にいくつかのファームでお手伝いしたり、見学に行ったり、話を聞いたりしたことと合わせて、消費者視点と、農業者の視点を織り交ぜていけたらと思います。

国土が広いアメリカ、いくら同じ国内からの供給でも、アメリカのほとんどの野菜を生産しているカリフォルニアから運ばれているものであれば、最低でも2、3日のトラックや貨物による輸送を経て運ばれてきているため、品質の劣化や、品質保持のための添加物、また輸送に関わるCO2排出量などが問題視され、新鮮・オーガニックな野菜を好む消費者が増えてきたということもあり、その傾向はさらに強まってきています。それを示すものとしては、ファーマーズマーケットの数にあると思います。

ファーマーズマーケットの開催を望む声は多く、大きな都市だけでなく、人口単位の、「村」でも各自のマーケットを開催しており、私の住む地域でも今年から開催予定で、どんなマーケットになるのか、とても楽しみです。自転車でも15分、車で5分。大きめのマーケットでも、車で15分もいけば中規模のマーケットが。朝採り、または前日に収穫されたばかりの新鮮な野菜たち。直接生産者と話すこともでき、マーケットが始まれば、毎週土曜日の恒例行事に。

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私の住むミルウォーキー郡と周辺の4つの郡だけでも、(ウィスコンシンでは全部で73の郡)なんと53のファーマーズマーケットが。ウィスコンシン州全体では、なんと約200ものマーケットが・・(数えるのが大変でした)。

東京にいたころは、青山ファーマーズマーケットや、代々木公園でのマーケットに行ってました。でも、休日に地下鉄で行かねばならず、結局行くのをやめたのも何度か。。。ですが、東京でもどんどんとその数は増えていますね。

家の近くで、毎週末開催、しかもそれがあちこちで開催されているということは、本当に有り難い。ホワイトハウスの前でも開催されてるみたいですよ!ミシェル大統領夫人も食に関するムーブメントを牽引しており、それも手伝い、関心を持つ人が増えているみたいですね。

また、その「ローカル」に続き、自分で野菜を育てる、家庭菜園を広げる取り組みも。私たちも今年春からコミュニティガーデンに参加しているのですが、小学校にある8つほどの区画の一つを借りて、野菜を育てています。小学校の運動場のすぐ隣にあり、小学校もいくつかの花壇で野菜を育てているので、食育的にもとても良い取り組みだと思います。

*手前の花壇が私たちの区画です。実験的にそばも植えてみたので、育ったらお茶にするか、もし粉にできたら手打ちそばに挑戦も楽しそうだな・・と考え中です。

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しかもこのガーデン、農薬などの使用は禁止されているオーガニックなガーデン。私の地域だけでなく、あちこちの公共施設などで見ることができます。私の住んでいるミルウォーキーでは、実は、持続可能な新しい農業に対して取り組む団体が多く存在し、いま全米でも注目を集めている新しい魚の飼育と水耕栽培の魚と野菜の循環農法進めている、グローイング・パワーも、ミルウォーキーが拠点。スイート・オーガニクスも、水耕栽培の第一線でミルウォーキーが拠点。今年の夏は、ぜひ訪れてみたいと思ってます。

また、アメリカの家庭の庭は、綺麗に手入れをされた芝生であることが多く、また芝生の管理のために、農薬を散布する人もいます。散歩しているとこんな注意書きが・・芝生刈りは夏の風物詩であり、とても綺麗に保たれていますが、段々農薬を散布する人は減ってきています。

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スペースを有効に使い、野菜の供給をカリフォルニアや海外に依存するのではなく、ローカルでフレッシュな野菜を自分で育てよう!ということで、Move Grass, Grow Foodをテーマにそのムーブメントを広める一躍もかっているのは、ヴィクトリア・ガーデン・イニシアチブ。

今年は、500もの立ち上げ花壇を導入。木枠を造り、土をトラックで運び、事前に申し込んだ家庭に行き、木枠を造り、土を入れて、家庭菜園が出来るサービスを展開しています。今までに2000もの花壇を作ってきたそうです。

アメリカでは、ペンキなどの塗料に含まれる金属が雨によってはがれ落ちて土にしみ込んでいる、ということはよく知られていることで、もともとのファーム出ない限り、庭の土をそのまま使用することは、あまり進められていません。
そのため、他から土や、腐葉土などをもって来て野菜栽培に適した土を造り、野菜を育てます。

彼らの活動は、貧困が著しい地域でのコミュニティガーデン運営による安全なコミュニティの形成で犯罪率の低下や貧困の改善、食育、に取り組んだり、果樹園プロジェクト、庭へのレイズドベッド(立ち上げ花壇)導入、食の安全性など様々なプロジェクトやワークショップを開催し、地域にも大きな影響を与えています。さらにはそのコミュニティガーデンで育てた野菜を売ることが出来るマーケットも併設し、職を得ることが難しい貧困エリアで社会的な大きな影響を与えています。

ヒロイズムのアメリカ、社会問題解決のためには、政府に頼るのではなく、民間で解決しようと、多くの非営利団体が活動しています。その様子には、とても素晴らしいと思います。そんな人の良さと、ダイナミックな自然が、アメリカの特別なところ。

今月末でアメリカに来て一年になりますが、改めて、アメリカは、広いです。人、地域、慣習は地域により異なり、そんな多様さと、自由な風潮、みな平等!がベースとなったコミュニケーション、ダイナミックな自然が、ここにいてもいいかな、と思う理由かもしれません。地域によって本当に慣習、雰囲気や景色が違うので、一言では言い切れないのですが、この一年も新たな発見の日々になりそうです。

Aki S. Norton

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