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オーガニック情報アーカイブ

土壌が炭素を削減

オーストラリアの代表的なオーガニック農業者の団体、Biological Farmers ofAustralia(BFA)の発表によれば、「オーガニックやその他の再生式の農業システムによって耕作されている土壌における炭素蓄積作用が、オーストラリアの将来的な炭素排出量削減に効果的な解決策をもたらす」ということが、これまで見落とされてきた。またカーボン・クレジット取引システム(※注:二酸化炭素ガスによる地球温暖化防止のために、各国の CO2発生量の限度量を決め、それを超える国は他の超えていない国から CO2発生の権利=カーボン・クレジットを買うシステム)によって、農業従事者にとっては副収入にもつながるだろうという。


世界的に見て、およそ1500ギガトン(1ギガトン=10億トン)の炭素が土壌中に蓄積されており、その量は植物中に蓄積される量の二倍、同じく空気中に含まれる量の二倍になる。
アメリカのRodale Instituteによる23年に渡る継続的研究計画により、オーガニック農業は合成窒素肥料を使わないため、一般的な農業システムに比べて、CO2排出量が1ヘクタールにつき40%〜60%低いことが分かった。この研究によれば、もしもアメリカの中規模農家の10,000軒がオーガニック生産に切り替えれば、その炭素の蓄積量は自動車で270億kmドライブした場合と同じ量になるという。オーガニックのコンサルティンググループである、Organic Knowledge代表のアラスデア・スミッソン氏によれば土壌に含まれる炭素の可能性を利用することは、現在行われている気候の討議の中で十分な関心をひいてこなかったという。
このような炭素削減を促進する計画の1つが、2007年初頭に発足された『オーストラリア土壌炭素認定計画(ASCAS)』だ。この計画は、二酸化炭素を地中に戻すことによって、大気中のCO2レベルを削減するという事業に関し、年単位で蓄積された量に対してカーボン・クレジットを支払うものだ。計画の創設者たちは、二酸化炭素が将来世界でもっとも大きな商品市場になっていくだろうと見ている。スミッソン氏は、「野菜栽培においては、作物を常に同じ恒久的な有機物のマルチに植えつけ、また植え直すリビング・ベッドシステム、また広大な面積に対する作付けには非耕作・低耕作農法というような、革新的な土壌管理技術は、これまで以上に研究・調査のための資金を投入するのにふさわしい対象である。」と述べている。その他、炭素固定作物の栽培実践には、カバー耕作(土壌の状態に合わせて特別に作物を植える農法)や輪作などオーガニック農業で広く奨励されている耕作方法が含まれている。
オーガニック農業はまた、合成窒素肥料の集中的な使用により起こりがちな副作用である、二酸化窒素の放出も最小限に抑える効果がある。というのも、オーガニック農業ではその使用が禁止されているからだ。
二酸化窒素が100年間放出されれば、その影響は二酸化炭素より310倍強く、窒素肥料を作ることは、農業における温室効果ガス放出のもっとも大きな要因となっている。農業は世界の炭素放出量の30%、オーストラリアの炭素放出量の17%を占めている。
冒頭に登場したBFAは、オーストラリアのオーガニック産業に対するビジョンとして、2020年までにオーガニック食品の売上げをオーストラリア食品市場の10%に拡大したいと考えている。炭素放出削減はオーガニックを買う20の良い理由のひとつであり、オーガニック業界がその目的を達成するのに役立っている。
※さらなる情報は、こちらからどうぞ(英語)
http://www.bfa.com.au/index.asp?Sec_ID=260
Organic-Market.Infoより
http://www.organic-market.info/

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