デンマーク、オーガニック養殖により高度な調査を
デンマークでは持続可能なオーガニック魚の養殖を発展させていくため、高品質の植物性タンパク質をベースとするオーガニック魚類の餌について、さらなる調査が求められている。それに加え、EUが定めたオーガニック魚類の生産に対する規制とも歩調を合わせる必要がある。以上が、オーガニックの養殖について「DARCOF」から新たに発行された科学報告書に書かれた主な結論だ。
オーガニックの原理に則ってデンマークで魚の養殖が行われるようになったのは2001年のこと。2004年にはオーガニックの公的な規制が適用されるようになり、翌2005年、初のデンマーク産オーガニックのニジマスが、デンマークでお馴染みの赤いオーガニックラベルを貼付されて市場に登場した。現在淡水で生産されるオーガニックのマスの生産量はわずか120万トン(デンマーク産マスの全生産量のう0.3%)である。
オーガニック魚類に対する調査は、デンマーク産オーガニックマスの生産を高めるためにも、また現在の生産の障害となっているものに挑んでいくためにも必要なことだ。DARCOF(デンマークのオーガニック食品・養殖における調査局では、オーガニックマスの養殖に関する知識と重要な課題をまとめた科学報告
書をつくることによって、調査の改革に着手した。
デンマークのオーガニックラベルは、その魚が明瞭で管理の行き届いた環境で生産されたことを保証している。したがって、オーガニック生産された魚は、オーガニックラベルのない魚と比較して明らかな違いがあることを期待されている。デンマークでオーガニック生産される魚に求められる条件には、以下のようなものがある。
・水中には改良された酸素が含まれていること
・少なくとも年に二回、獣医による検査を受けること
・化学品使用の規制
・特有の病気に対する予防接種
・餌への合成色素使用を禁止
ヨーロッパ他国でのオーガニック魚類の生産管理は民間で行われるが、デンマークの場合は政府によって管理されている。しかし、国の規制の違いによって、生産者の間では不公平な競争が生じる。EUの共通の規制に準じることで、生産コストを安定させ、オーガニック養殖業の持続可能性を高めていけるかもしれない。
水産養殖の餌に関するデンマークの規制はとても厳しく、デンマークのオーガニック漁業の持続可能性を保証していくためにこの分野における調査が必要とされている。ヨーロッパ共通の基準を持たないということは、デンマーク産オーガニック魚の餌の輸出が妨げられ、さらにはデンマークにおけるオーガニッ
ク漁業の発展を遅らせている。
デンマークにおけるオーガニック魚類の持続可能な生産は、魚の餌のためのオーガニック関連成分(例えば消化しやすいたんぱく質を豊富に含んだ植物性たんぱく源など)が入手可能であることが前提となる。
デンマークの基準では、ニジマスは一生のうち一度だけ病気に対する処置が認められている。もしそれ以上の処置が加えられた場合は、魚は一般食品として、すなわち低い価格で販売されることになる。このデンマークの厳しい規制は、ヨーロッパ各国の中でも珍しいものである。
DARCOFのサイトはhttp://www.darcof.dk/
Organic-Market.infoより
http://www.organic-market.info/