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ポルトガル:小さなベースから大きな成長

ヨーロッパ最西の国では、昨今オーガニック産業の著しい発展が目立つ。専門の小売店とともに、一般の小売店でもオーガニック製品が販売され、生産者から新鮮なオーガニック食品が届く週一度のマーケットを楽しみにしている新たな顧客が増えている。


現在、ポルトガルの人口の20%(1000万人)がリスボンの大都市圏に、16%がポルト地域に在住している。その他の地域は貧しく、ほとんどの専門店がこの2つの都市に集中しているのは不思議なことではない。近い将来拡大を目指すオーガニックマーケットの良い例がこの国では見られる。しかし明白なのは、オーガニックの概念自体がまだ根を下ろしたばかりの段階で、オーガニックの流通機構が大きく改善されていく必要があるということだ。ポルトガル北部のポルトを中心にした地域、またリスボンの都市圏では、将来的な成長を約束する様々な状況が見られる。
オーガニック製品がもっとも多く販売されているのは、およそ500店に及ぶ健康食品店、約20店舗存在する認証を受けたオーガニック専門店、またリスボンのビオコープに属する450平米のオーガニックスーパーマーケットである。国全体の消費におけるオーガニック製品の割合はいまだとても小さいが、オーガニック業界では、極めて専門的に運営している多くの企業とともに、ここ数年間のうちに増加するであろう消費者の要望に見合うよう供給面を改善し、万全の体制を整えている。メディアが健康や環境についての特集を多く取り上げるようになったことと関連して、オーガニック食品への関心の度合いや、一般的なオーガニックの認知度は高まっている。
健康食品卸売業のゴンカロ ロボ デ ヴァレは、従来取引は、オーガニック市場のわずか10%に過ぎないと見ている。フランスの「Auchan」、スペインの「El Corte Ingles」や「Continente」といった大手スーパーチェーンは全て、オーガニック食品を揃えている。オーガニック農場のBiofradeは現在「Auchan」で特別な試みを実施。数ヶ月の期間、20平米のコーナーで毎日採りたての野菜やフルーツを販売し、大きな成功を収めてきた。
消費者へより良い情報を提供する場も増えている。11月18日〜26日の期間行われたオーガニックウィーク「セマナ ビオ」では、農場訪問や試食会、企業ツアーに情報普及イベントなど、この期間中全国で多くの企画が催された。「セマナ ビオ」のオーガナイザーであるInterbioは、この少し前に設立された統括団体。(プログラムの内容は www.semanabio.comより)。文化機関「テラクルタ(TerraCulta)」のフランシスコ・ヴェイガ氏が、イベント運営の総責任者 となった。多くのイベントはリスボン地域で行われた。(全プログラムはhttp://www.naturlink.pt.からも見ることができる)また、ポルトガルで人気の雑誌『Beijaflor natural』では、定期的に環境と栄養についてのトピックを掲載している。 (http://www.beijaflornatural.com/)
他の国と同様、農業者へのオーガニック転換の支援も行われている。あらかじめ耕された土地でオーガニックの認証を受けることによって、農業者はより多くの助成金を得られるというものだ。ほとんどの場合、この転換支援自体が、競争力のあるオーガニック製品や、自らの農作物をオーガニックとして販売したいと思う農業者を生み出すわけではない。結果として、現在のオーガニック製品の販売が未来の国庫補助金へと結びついていくのである。リスボンのオーガニック食品店「ビオコープ」のアンジェロ・ロシャのようなオーガニックの小売業者は、現在の高い輸入率(主にフランスやドイツからで、ときには90%まで上がる)を念頭に置きつつ、オーガニック農業支援により、将来の国内供給率が増加していくことを期待している。オーガニック製品の輸入が進められたことによって、幅広い種類の商品が揃えられるようになったが、価格は極端に高くなった。(時にはドイツでの価格の1.5倍から2倍にもなる。)流通機構自体が弱く、一般所得の平均が月400〜1000ユーロの国では、オーガニック製品に魅力を感じないのは当然である。人々は単純に購入することができないのだ。解決の鍵となるのは、より多くの商品??特に乳製品やパスタなど??を自国で生産し、購入可能な商品供給への基盤をつくることである。
現在、オーガニックの流通機構にも工夫が凝らされ、その積極的な例もいくつか表れつつある。2つのオーガニックスーパーに、健康食品のチェーン店、そして2つの週ごとのオーガニックマーケット。またオーガニックの総菜を生産する会社もある。エコビオ(www.ecobio.pt)を運営するLuisa de Vasconcelosは、2006年晩秋よりレストランや食堂にオーガニック総菜を供給したいと語っている。総菜は分解可能なサトウキビ素材のトレーに詰められ、冷凍もしくはチルド食品として大規模顧客へと発送される。オリジナルのレシピによる総菜は230種、すべてオーガニック認証を得ている。エコビオの食品は、リスボン西部のセンター(およそ80平米)で生産され、フレッシュな状態でパッケージに詰められる。センターに新たに設置されたキッチンにはタイルが貼られ、ガス台や真空パック用の機械、冷蔵庫など新たな設備が投入された。欧州社会基金が支援するこのプロジェクトは、間もなく始動予定である。「ビオディエタ」というラインにはベジタリアン向けの食品、サンドウィッチ、ケーキ、パテなどがあり、「エコビオ」ラインには肉も含まれる。11月以降は冷蔵車での食品配達を予定している。
個人客にもオーガニックの便利な食品を楽しんでもらえるよう、Luisa de Vasconcelos氏は、ビオグルメ (www.biogrourmet.pt)のGeorg Dutschke氏とのコラボレーションも行っている。ビオグルメでは一般食品の宅配を受ける4000人の顧客を抱えており、オーガニック食品の魅力的な品揃えを可能にすることで、これらの顧客層にアピールしていくことが目的だ。
オーガニック食物の生産とその市場に関して、ポルトガルは未来に対して楽観的になれる多くの要素を備えている。なにより自然の良好な環境は、オーガニックの作物を生産する多くの機会に恵まれていることを示している。しかし、必要な
設備を整え、卸売りと小売りの両方での流通機構を改善していくには、あと2,3年が必要とされるだろう。
Organic-Market.infoより

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