Euro Coopの見解−−EUオーガニック農業規定の見直しについて
EUが取り組んでいるオーガニック食品に関する理事会規定2092/91の見直しについて、Euro Coopは歓迎している。 またオーガニック食品生産が将来拡大していくような、明確で安定性のある枠組みづくりに賛同している点で、その重要性を特に強調したい。
Euro Coopとしては、欧州委員会から提案された内容について、コメントを述べたい。なぜならオーガニック農業は持続可能な発展のために会員が取り組む活動の中でもカギとなる要素の1つだからだ。適用されることになる規定は、品質と信頼性、そして価格を重視したうえで、消費者の期待にこたえるものでなくてはならない。
第一に強調すべき点は、2009年の前後に新しく定められる規定について、決定がなされる際に、何をさしおいてもステークホルダーを必ず含めるべきである、ということだ。実際、消費者の決定は、ヨ
ーロッパにおけるオーガニック農業の発展にとって不可欠であり、だからこそ、このカギとなる消費者は決断の場に出席することが必須なのである。
それゆえ、Euro Coopは消費者ならびに市民とともに履行される規定の草案作成段階から委員会での作業の場においても、積極的にかかわりをもつ必要があると信じている。消費者、農家、そしてこの分野に関わるその他の人々の意見が適切に考慮されるというメカニズムがきちんと保証されるべきである。
EuroCoopは、新しい規定の見通しとして、オーガニックワインと水産物を加え、範囲が拡大されることを歓迎している。この点から、Euro Coopが信じているのは、農業について変更を適用する際のメカニズムを規定の中に盛り込むべきであるということである。CAPの改正につながる可能性のある変更については特にそれが重要になる。また規定は食品以外の作物、例えばコットンなどのオーガニック基準の発展についても、きたる数年の間に関係者がそれを適切であると考えるなら、そこまで枠を広げ、規定できるようにするべきである。
Euro Coopは、少なくとも70%以上の原材料がオーガニックである場合、原材料表示にオーガニック農業により生産された旨の記述ができるという部分について、削除される見通しであることについては、反対である。いまだこの市場は 発展段階にあるので、この方式は企業にとっても消費者にとってもオーガニックの方向へ向かう良い方法になりうる。ケータリングに関しては、それが規定に含まれることをEuro Coopは支持している。消費者の中には既にこれらを望んでいる人たちが存在し、さらなるオーガニック農業の発展につながると考えるからである。実際、この競争力が大きくなっている市場において、オーガニック素材が入っているという主張することは、企業にとって重要なマーケティングツールとなるであろう。
Euro Coopは、ほんの少しのGMO汚染であってもそれが避けられないものとして、容認されるべきではないし、またオーガニックや慣行農業で栽培される作物が偶然にGMOによって汚染されることは、何としても避けるべきであると認識している。しかしながら、汚染に関する最低限の検出限界値は受け入れられるべきである。欧州連合ならびに各国当局は、効果的な共存の方法をできるだけ早く実践に移せるよう行動に移す必要がある。どのような場合でも、この問題の解決手段がすぐに見つからなければ、オーガニック農家はGMO作物の無責任な管理が原因で、経済的な苦境に追いやられることになるだろう。また、GMO作物が周辺地域を汚染することになれば、オーガニック農業発展の可能性がおぼつかなくなるだろう。GMO作物に関してもっとも心配している消費者が、GMO生産者が原因でさらに値段の高くなったオーガニック食品に高い金額を支払わなくてはならないのは、フェアではないと考える。
(中略)
Euro Coopは、教育は法的な手段の実施と並行して真剣に努力が必要な、カギとなる部分であることを主張したい。持続可能で健康的な食品についての教育は、幼少期よりスタートさせるべきである。欧州委員会は、ヨーロッパの消費者がオーガニックにどのような意味があるのかということについて、きちんと教育が受けられるよう、財政的な措置を講じるべきである。
最後に、もし長続きする規定の採用を考えるのなら、新しい規定に関する討論や議論は時間の制限やプレッシャーのない状態で行われるべきであると、Euro Coopは信じている。まさにこの理由で、Euro Coopは欧州委員会、欧州議会、ならびに理事会を招待して、ヨーロッパのステークホルダーとともにこの規定の内容について深く、落ち着いて討議するのである。
※上記の全文は、こちらから見ることができます(英語)。
Euro CoopとBio-Markt.infoより