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UNレポート:環境ホルモンの先端科学
新たな報告書によると、十分なテストを受けていない家庭用品や工業製品の中に多くの化学物質が見つかり、これらはホルモンシステムを破壊する影響を持っている可能性を持ち、著しい健康問題につながる恐れがある事が分かった。報告書「内分泌かく乱性化学物質(環境ホルモン)の科学の状況(State of the Science of Endocrine-Disrupting Chemicals) 」は、環境ホルモンへの曝露と健康問題(女性の乳がん、男性の前立腺がん、子供の注意欠陥多動性障害、甲状腺がん、など)の関係を取り上げている。
同報告書は国連環境計画(UNEP)と世界保健機関(WHO)が共同で出版し、これらの関係性を完全に理解する為の更なる研究を呼びかけている。 また、内分泌かく乱物質(環境ホルモン、EDCs)が与える野生動物への影響についての同様の懸念も示している。これらの化学物質にさらされる事で、ある鹿の集団において、生殖機能欠陥や不妊症、枝角の先天異常をもたらしているかもしれない。カワウソとアシカの集団も、特定の農薬に見られる化学物質により、危険にさらされている可能性がある。
この報告書は、環境ホルモンを特定し、ヒトや野生動物がどのような経緯で環境ホルモンにさらされているのかを調査するべきだと提言した。また、科学者らがより協力を深め、データを共有する事によって、特に発展途上国において、現在の知識のギャップを埋められるよう求めた。
出典:UN News Center
Organic-Market. Infoより
(翻訳: ボランティア 越川 加奈子さん)