フィンランド:高水準でオーガニック市場が成長
フィンランドにおけるオーガニック市場が急速に成長している。オーガニック小売市場は、2010年の8,200万ユーロ(2010年12月当時約91億円)、2011年1億2,000万ユーロ(2011年12月当時約122億円)から伸長し、今年1億8,200万ユーロ(約208億2千万円)に達したと、Yleニュース(フィンランドのニュースサイト)が伝えた。
これは、フィンランドの消費者が年末までに最終的に昨年よりもおよそ50%多くオーガニックを消費すること、市場が2年連続して40~50%伸長することを意味する。他の情報筋では、オーガニックマーケットの伸びを20~30%と見込んでいる(Pro Luomu:フィンランドオーガニック専門協会より)。しかしながら小売りの全売上に占めるオーガニック製品は2%に満たない。もっとも人気のあるオーガニック製品は卵、乳製品、野菜、果物、そして小麦粉等の乾物類である。
おそらく倫理観、動物保護、添加物論争がオーガニックへの関心を高めている。しかし、Pro Luomuの最高責任者Majra-Pitta Kottila氏によると、オーガニック市場の成長はオーガニック供給が増えたという事実に起因するという。フィンランドの食品流通のリーダである生協S-Groupが好例である。ヘルシンキ都市部のS-Groupの責任者であるAnne-Marie Wallenius氏は、店舗は確実にオーガニック製品を増やす方向にあるという。
それでもなお、いくつかの直面する課題も存在する。サービスポイントを行う小規模スーパーマーケット‘Eat and Joy’のJari Etelalahti氏は、彼にとっても、また直接販売をする生産者にとっても、十分な食肉加工処理場がないと主張する。また、Organic Food Finlandによれば、供給網の初期段階でいくつかの問題が存在するという。オーガニック農場で生まれた子牛が最終的に従来畜産を行なう肉牛の牧場にいたり、いくつかの農家は、オーガニック基準を満たすための家畜小屋への要求が農家にとってあまりにも大きな投資となるために、農地はオーガニックだが家畜はオーガニックではないという。
そして、オーガニックプロテインの飼料は依然不足している中、すでにフィンランドではオーガニックミートの需要は供給を越えている。
出典:Organic-Market.Infoより
(翻訳:ボランティア 殿村 江美さん)