オーガニック詐欺:イタリアで初の判決が下る
「長靴をはいたネコ」事件として知られるイタリアのオーガニック詐欺事件の初公判が、2012年5月22日にヴェローナで開かれた。この事件は、イタリア財務警察が公認オーガニック認証団体の協力を得つつ2年間の緻密な捜査を行った結果、昨年12月に起訴されたものである(Organic-Market.infoでは、この点について以前に報告している*注:英語)。
公判には、ヴェローナ検察が詐欺罪で起訴した事業者・団体職員の計7名が出廷した。このうち4名の被告人(アンドレーア・グラッシ、ミケーレ・グロッシ、ダヴィデ・スカピーニ、ステファノ・スパディーニ)は罪状を認め、情状酌量を求めている。公判で被告に下った判決はそれぞれ次の通り。
アンドレーア・グラッシ - Fattoria dellla Speranza社法定代表者、商社オーナー、Terra Viva農場相談役。懲役3年4ヶ月。
ミケーレ・グロッシ - 認証団体Suolo e Saluteの元マルケ州支部長。懲役3年。同団体は同被告の不正行為を2010年半ばに発見。同被告は解雇後、告訴され、農業省に通知された。
ダヴィデ・スカピーニ - サニーランド社営業部長・同社49%株主、Agribioscaligera di Badia Polesine農場50%株主、Terre del Sole農場、Biopolesine Co社、およびEridano Trading社の法定代表者。懲役3年。
ステファノ・スパディーニ - 認証団体Suolo e Saluteマルケ州支部が雇用していたフリーランサー。執行猶予2年。ミケーレ・グロッシのケース同様、同団体は彼を解雇・告訴し、農業省に報告した。
ステファノ・デタシス - 共謀罪で起訴されたが無罪。ただし(他の)微罪については3ヶ月の執行猶予判決が下された。
以上、これまでのところ被告人に下された判決を合計すれば、懲役刑が9年4ヶ月、執行猶予が2年3ヶ月となる。なお、主犯格の被告であるサニーランド社法定代表者のルイージ・マリヌッチ(48歳)は、2011年12月6日に逮捕、勾留され、その後自宅監禁されているが、(共に起訴された、BioecoitaliaおよびCentro Cerealiの法定代表者、アンジェラ・ナザリア・シエナ(40歳)と共に)「架空取引で偽のインボイス等の文書を発行し、市場に対して詐欺を行った共謀容疑」で起訴されている。マリヌッチは現在も自宅監禁されているが、これは裁判所が自宅監禁解除の請願を「これほど多数の犯罪行為をなし、多数の関係者に問題を引き起こした被告に移動の自由を与えることは、不正行為再発防止の観点からみて不適当である」として却下したためである。
サニーランド社のルイージ・マリヌッチとアンジェラ・ナザリア・シエナに対する次回の公判は、2012年7月6日に予定されている(なお、もう1人の被告人は司法取引により起訴が取り下げられた)。一方、イタリアのオーガニック運動を統括する連合組織FederBioは上記7名に損害賠償を請求し、裁判では被害者として認められている。
出典:FederBio
Organic-Market.infoより
(翻訳:ボランティア 池田 真紀さん)