自然化粧品向けの生物界面活性剤
大量の植物の茎、果物や野菜の皮、トウモロコシの皮や豆のさやなどは、オーガニック農業においても廃棄物として生じている。
Informationsdienst Wissenschaftの報告によれば、EUが助成するあるプロジェクトで、科学や産業分野からの国際的なパートナーの協力のもと、研究者たちはFraunhofer IGBにて、これらの廃棄物を自然化粧品向けの生物界面活性剤の製造に利用する予定だという。
年間およそ1800万トンの界面活性剤が製造されており、大部分は化学的な方法で石油をベースとしている。現在、4分の1が再生可能資源からできるオイル、通常はココナッツあるいはパームやしの種のオイルを使用して製造されている。
微生物もまた、生物界面活性剤と呼ばれる洗浄成分をもつ物質を生み出す。しかしながら、こうした生物界面活性剤は産業的にはごくわずかしか生産されていない。理由は比較した場合の生産コストが高いからだ。自然化粧品用に生物界面活性剤を経済的にも有利に作れるよう、Fraunhofer IGB(Fraunhofer界面工学バイオテクノロジー研究所)の研究者は、EU助成のプロジェクトの中で、持続可能でコスト削減できる生産過程を開発中である。このプロジェクトは2012年1月1日に開始され、「O4S–自然、オーガニック認証製品に適用できる自然発酵を通じた再生可能資源からの持続可能な界面活性剤生産」と名づけられている。
研究者たちは、バイオテクノロジーを使った生産過程において、原料としてオーガニック農業産のセルロースやオイル、その他残留物を含んだ廃棄物を活用する見込みだ。仮にセルロースが、その基礎となる構成要素であるブドウ糖に転換されれば、糖分子は微生物が基質として使用可能になる。このプロジェクトでは、何よりもまず、微生物のさまざまな種類の自然に生じる型が、適用可能かどうかという観点で検査される。
オーガニック農業から生じる廃棄物の使用は、生産コストの削減するだけでなく、生物界面活性剤の持続可能性を堅固にすることにもつながる。Fraunhofer IGBの研究者たちは、NatrueやNaturland、その他認証に関わるパートナーとともに研究を進めている。
さらなる情報はこちらから。(英語)
http://idw-online.de/pages/de/news467471
出典:Informationsdienst Wissenschaft
Organic-Market.infoより