遺伝子組み換え作物の安全性評価
ヨーロッパ環境科学は「遺伝子組み換え作物の安全性評価」と題し、(該当する諸研究の)限界と可能な改善策を提示する論評を公表した。再考察された19の研究は、商業化された遺伝子組み換えの大豆とトウモロコシを餌として与えられた哺乳動物に関するものである。
特性として殺虫剤耐性、あるいは殺虫物質を生成するよう遺伝子操作されたあと、大規模農業によって栽培されたすべての環境適合性のある遺伝子組み換え農作物のうち、(遺伝)形質と植物ごとに見て、その80%以上は大豆とトウモロコシである。訴訟あるいは公式要請を受けて、ネズミを使った90日間の実験に関する生データも入手している。入手されたデータには、遺伝子組み換え農作物を食べている哺乳動物の多数の臓器重量と組織病理学上の所見とともに、生化学の血液と尿のパラメーターが含まれる。
上記の実験における収束データのなかには、遺伝子組み換え農作物を食べた影響の評価項目として、肝臓と腎障害を示しているようにみえるものが幾つかあった。このことは公表されたすべての生体内研究のメタ分析によって確認されており、特に腎臓に影響を受けることが明らかにされている。オスでは、異常な数値のパラメーターの43%が腎臓に集中しており、一方で、女性の場合は特に肝臓に障害が見られた(異常なパラメーターの30.8%を占める)。ヨーロッパ環境科学によれば、90日間の実験では慢性的な毒性の評価には不十分であり、腎臓と肝臓に目立つ兆候は慢性疾患の発病である可能性もある、としている。しかしながら、大規模に栽培された遺伝子組み換え農作物のいずれに対しても、最小限の実験期間がいまだに義務つけられていない。このことは、消費者の健康保護という点から社会的に容認できることではない。提案されるのは、諸研究の改善と長期化、そして義務化の必要性であり、また、性ホルモンの査定、さらに生殖や数世代にわたる研究が行われるべきである。
出典:Organic-Market.Info
(翻訳:ボランティア 大畑 恵里さん)